糸リフトの効果は何か月もつ?研究が示す幅と限界

持ちの目安は、糸の素材と部位によっておよそ6〜12か月というのが大規模な集計の数字です。ただし報告の幅は大きく、6か月以内に半分ほど戻ったというデータも引用されています。

持ちの目安は、糸の素材と部位によっておよそ6〜12か月というのが大規模な集計の数字です[1]。ただし報告の幅は大きく、6か月以内に半分ほど戻ったというデータも引用されています[2]。広告でよく見る12〜18か月という数字は、査読を受けた研究では一致していません[2]。

どのくらいもつ、と報告されている?

素材と部位で変わります。11万件を超える症例を扱うグループの報告では、効果の平均的な持続はおよそ6〜12か月とされ、PDOの糸は6〜8か月で分解し、PCLの糸は12か月ほどまでやや長く残るとされています[1]。つまり「1回で終わり」ではなく、間隔を置いて考える施術です。

12〜18か月という数字は、どこから来た?

宣伝でよく使われる数字で、研究側の数字とは差があります。3D構造の双方向コグ糸を調べた前向き研究は、12〜18か月という宣伝上の主張に対し、査読済みのデータはそこまで一致していないと述べています[2]。そこで引用された報告では、6か月以内にたるみの50%が戻り、14%は8週という早い時期に戻っていました[2]。純粋な吊り上げの効果は6か月までに弱まるとした報告も紹介されています[2]。

効果の大きさは、数字で示されている?

客観的に測ったデータは、まだ多くありません。3D構造のPDO糸については、前向きに客観的な結果を測ったデータが文献上まだ少ないと指摘されています[2]。ヒアルロン酸と組み合わせた中顔面の治療では、1年と2年の時点で評価者に伏せた形で効果と安全性を調べたパイロット研究があります[3]。見た目の印象ではなく、何をどう測った研究なのかを見ると、数字の重みが分かります。

本数を増やせば、効果は上がる?

答えはまだ出ていません。PDO糸の本数が引き上げ効果にどう影響するかを調べた無作為化比較試験が行われており[4]、適応ごとに最適な本数を示したガイドラインは今の文献にないと明言した報告もあります[5]。不満につながる要因を調べた解析では、10本を超えて入れた方のほうが効果不足を感じて再受診しやすいという結果も出ています[6]。

1年を超える成績は、どこまで分かっている?

薄いままです。11万件超の集計は規模が大きい一方、匿名化して集めたデータのため、満足度や客観的な指標が取れず、合併症や長期の経過を評価できなかったと限界が明記されています[1]。系統的レビューでも、症例数の少なさ、観察期間の短さ、客観的な評価指標の欠如が指摘されています[7]。不満という患者側の結果も、これまで十分に調べられてこなかった、と同じ解析が述べています[6]。

この幅を、診察でどう埋める?

自分の場合の見込みを、数字と条件で聞くのが早道です。どの素材の糸を何本、どの部位に入れるのか、その組み合わせで何か月を見込んでいるのか、戻ってきたときに次は何をする想定なのか。この3つを診察で確かめておくと、広告の数字に引きずられずに判断できます。

効果が短めに出ても、それ自体は失敗とは限りません。報告の幅そのものが大きい領域なので、見込みを先に共有しておけるかどうかが、あとの納得を左右します。

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