切開フェイスリフトの腫れと内出血、経過が長引くサインの見分け方

切開フェイスリフトのあとの腫れや内出血は、多くが自然に引いていく正常な経過です。ただし血腫(内出血の塊)は、この手術でもっとも多い、再手術が必要になりうる合併症として報告されています。

切開フェイスリフトのあとの腫れや内出血は、多くが自然に引いていく正常な経過です。ただし血腫(内出血の塊)は、この手術でもっとも多い、再手術が必要になりうる合併症として報告されています。普通の経過と、急いで連絡すべきサインを分けて説明します。

もっとも多い合併症は「血腫」

切開フェイスリフトの短期合併症をまとめた報告では、血腫(血の塊がたまること)が、手術による処置を必要とする合併症の中でもっとも頻度が高いとされています。2001年から2013年までの研究をまとめた過去の比較では、血腫の頻度がおよそ1.8%増えていたことも指摘されています[1]。別の報告でも同様に血腫が最多の合併症とされ、報告される頻度は0.2%から8%までと幅があります[2]。

血腫が起こりやすい人の傾向

血腫のリスクを高める要因として、男性であること、高血圧の既往があること、血が止まりにくい体質があることが挙げられています[1][2]。当てはまる場合は、術前にこうしたリスクについて詳しく説明を受けておくとよいでしょう。

「広がる腫れ」は、様子見ではなく連絡のサイン

片側だけが急に大きく腫れてくる「広がる血腫」は、血流の妨げや炎症の悪化につながるおそれがあるため、すぐに再手術で対応すべき状態とされています[2]。少量の血腫であれば、針で抜く処置で対応できる場合もあります[2]。

出血を減らす工夫も研究されている

局所麻酔薬にトラネキサム酸を混ぜて浸潤させる方法で、手術中の出血量が減ったという報告があります[3]。トラネキサム酸は形成外科領域全般で出血を抑える目的で使われており、その有効性を整理した系統的レビューもあります[4]。ドレーン(排液のための管)を入れることの効果を調べたランダム化比較試験もありますが、腫れそのものを防ぐ効果までは示されていません[5]。

経過観察は数か月単位で行われる

内部縫合(キルティング縫合)を使った術式の症例報告では、手術翌日に退院して圧迫用のガーメントを着け、その後1週間・1か月・3か月・6か月と経過を確認していく流れが示されています[6]。皮膚のくぼみやしこり(seroma)、唾液が漏れるといった遅れて出てくる変化は、こうした経過観察の中で見つかっていくものです[6]。

腫れ以外で連絡すべきサイン

顔の動かしにくさが新しく出てきた場合は、腫れではなく神経への影響を疑うべきサインです。フェイスリフト後の神経損傷についての系統的レビューもあり、腫れとは別に確認しておきたい合併症として位置づけられています[7]。発熱や傷の熱っぽい赤み、血の混じった排液が急に増える場合も、感染や血流障害のサインとして連絡が必要です。

普通の経過と、連絡が必要な変化の分かれ目

腫れやあざが少しずつ引いていくのは正常な経過です。一方で、片側だけが急に腫れる、動かしにくさが出る、発熱を伴う場合は、通常の治り方から外れているサインです。血腫のリスク要因(男性・高血圧・出血しやすい体質)に当てはまる方は、術前にこうしたサインの見分け方を具体的に確認しておくとよいでしょう。

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