バッカルファット除去は、頬の奥にある脂肪のかたまり(バッカルファット)の一部を取り、頬のふくらみを抑えて下顔をすっきり見せる手術です[1][2]。満足度の高い報告がある一方で、効果を確かめた研究は少なく、質も高くないと整理されています[1]。頬骨の形や年齢によって、向き不向きがはっきり分かれます。
バッカルファット除去で、どれくらい変わる?
取る脂肪の量はわずかですが、多くの人が輪郭の変化に満足していました[1]。研究をまとめた報告では、取った脂肪は平均2.74mLで、小さじ半分ほどの量でした[1]。
同じまとめでは、84.6%の人が「顔の輪郭がとても良くなった」、残りの15.4%が「良くなった」と答えていました[1]。ただし、まとめに入った研究は4本だけです[1]。数字は参考にとどめておくのが安全です。
どんな顔立ちに向く?
向きやすいのは、頬が丸く重たい印象で、頬の前側がふくらんでいる人です[2]。頬骨はしっかりしているのに、頬のふくらみで顔が丸く見えている人が理想的とされています[1]。
反対に、頬骨が小さい人には勧められていません。取りすぎたような見た目になりやすいためです[1]。また、バッカルファットの量や位置には左右差があることも多いです[2]。
年をとったとき、頬がこけない?
その心配はあります。バッカルファットは年齢とともに自然に減っていくため、取ったことでフェイスラインのたるみが目立ちやすくなる可能性が指摘されています[1]。
年齢とともに頬の脂肪がしぼむと、頬のほかの脂肪も下に下がりやすくなると報告されています[3]。取りすぎると、頬がこけたやつれた印象になりかねません[4]。
そのため、若い人でも取る量を控えめにすることが勧められています[2]。「どれだけ取るか」は、いまの顔だけでなく、10年後や20年後の顔も考えて決めるのが現実的です。
脂肪溶解注射をしたことがあると、何が変わる?
結果が出にくく、トラブルも増えやすくなります。頬に脂肪溶解注射を受けたことがある人では、バッカルファット除去の成功率が下がり、合併症が増えたと報告されています[5]。過去の施術は、診察で必ず伝えましょう。
リスクと、手術の受け方は?
合併症は多くありませんが、ゼロではありません。研究のまとめでは、134件の手術で7件の合併症が報告されていました[1]。手術によって、小さなくぼみができることもあります[6]。
手術はふつう全身麻酔で行われますが、条件が合えば局所麻酔で行うこともあります[2]。麻酔の方法とダウンタイムの見込みは、事前に確認しておきましょう。
自分に向くかは、診察で何を見てもらう?
確かめたいのは、頬骨の形、バッカルファットの量と左右差、そして年齢です[1][2]。手術の前に、取るべき量や左右差を見積もることが大切です[2]。
取る量と将来の頬の見え方は、記事だけでは決められません。診察で顔を見てもらい、取る量の考え方と、こけたときの対応を確認してください。
- 1Traboulsi-Garet B, Camps-Font O, Traboulsi-Garet M, Gay-Escoda C. Buccal fat pad excision for cheek refinement: A systematic review. Medicina Oral, Patología Oral y Cirugía Bucal. 2021. doi:10.4317/medoral.24335
- 2Lisiecki JL, Chiodo MV, Rohrich RJ. Finesse Buccal Fat Pad Excision. Plastic and Reconstructive Surgery. 2023. doi:10.1097/PRS.0000000000010160
- 3Gierloff M, Stöhring C, Buder T, Gaßling V, Açil Y, Wiltfang J. Aging Changes of the Midfacial Fat Compartments. Plastic and Reconstructive Surgery. 2012. doi:10.1097/PRS.0b013e3182362b96
- 4Hong GW, Kim SB, Park Y, Park SY, Chan LKW, Lee KWA. Anatomical Considerations for Thread Lifting Procedure. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.16618
- 5Sirimahachaiyakul P, Tansawet A, Wannachamras S. Success Rate of Buccal Fat Pad Removal in Cases of Previous Injection Lipolysis of the Cheeks: A Comparative Analysis. Plastic and Reconstructive Surgery Global Open. 2023. doi:10.1097/GOX.0000000000005410
- 6Yousuf S, Tubbs RS, Wartmann CT, Kapos T, Cohen-Gadol AA, Loukas M. A review of the gross anatomy, functions, pathology, and clinical uses of the buccal fat pad. Surgical and Radiologic Anatomy. 2010. doi:10.1007/s00276-009-0596-6