斜鼻術、骨を切るか隠すか?曲がり方で変わる術式の選び方

斜鼻術の術式は、曲がりの主な場所が骨か軟骨か、そして鼻すじの形をどこまで残せるかで変わります。骨が曲がっていれば骨切り、鼻中隔(鼻の中の仕切り)が曲がっていれば中隔の矯正、軽い段差なら軟骨を足して隠す方法が候補で、多くは組み合わせます。

斜鼻術の術式は、曲がりの主な場所が骨か軟骨か、そして鼻すじの形をどこまで残せるかで変わります。骨が曲がっていれば骨切り、鼻中隔(鼻の中の仕切り)が曲がっていれば中隔の矯正、軽い段差なら軟骨を足して隠す方法が候補で、多くは組み合わせます[1][2]。同じ「曲がった鼻」でも、直線型、C型、S型で手術の結果が違ったという報告があり[3]、自分の曲がり方の型を知ることが選び方の出発点になります。

斜鼻術には、どんな種類がある?

大きく分けると、ゆがみを隠す方法、いったん分解して組み直す方法、その両方の組み合わせの3つです。曲がった鼻の矯正を長期に追った研究は、治療の考え方をカモフラージュ(軟骨を足して段差を隠す)、完全な解剖学的再建、その併用に分け、著者らの施設では再建を基本にして必要ならカモフラージュを足すと書いています[2]。

再建の中身は、部位ごとの手技の組み合わせです。教科書は、骨のずれに対する骨切り、鼻中隔の矯正、上外側軟骨(鼻すじの中ほどの軟骨)の矯正、鼻先と鼻柱の矯正、鼻の中のひだ(下鼻甲介)の処置という5つの要素に整理しています[1]。この5つのうち、どれを使うかが人によって変わるので、術式の名前だけでは中身がわかりません。

曲がり方の型で、結果はどう変わる?

型と術式の組み合わせで、鼻の通りと見た目の改善の幅が変わったという報告があります。曲がった鼻の手術を受けた78人を、直線型(I型)、曲線型(C型)、ねじれ型(S型)に分けて調べた研究では、曲がりの型と手術の方法の両方が、鼻づまりの評価(NOSE)と見た目の満足(ROE)の改善を左右する要因でした[3]。

この研究は、後ろ向きに記録を調べたもので、術式を無作為に割り付けた試験ではありません[3]。それでも「型によって向く手術が違う」という考え方の根拠になるので、診察で自分の型を聞いておく意味は大きいです。

骨を切る方法は、何が違う?

骨切りは、鼻の骨に切れ目を入れて位置と向きを整える手技で、骨のずれには欠かせません[1]。凸型に曲がった鼻骨では、まず内側の骨切りをして、次に外側の骨切りを行い、ずれが大きい時や鼻の付け根が広い時は帯状に骨を切り取る方法が示されています[1]。

同じ骨切りでも、骨膜(骨を包む膜)をはがすかどうかで、腫れの出方が変わります。6つの無作為化試験、208人分をまとめた解析では、外側骨切りの前に骨膜をはがした群は、術後3日以内のまぶたの内出血と腫れが多く、7日目の腫れには差がありませんでした[4]。骨膜を残す方法の方が、早い時期の内出血と腫れは少ない可能性があります[4]。

切る精度を上げる工夫も報告されています。3Dプリントのガイドを使って鼻骨の骨切りをした10人の報告では、計画した線からのずれは平均0.48mmでした[5]。ただしこれは切り方の正確さを示したもので、戻りにくさを調べたものではありません[5]。

鼻すじを「残す」術式は、誰に向く?

鼻すじの形がもともと整っていて、こぶがない外傷後の斜鼻に向く方法です。この20年で鼻の手術は、骨と軟骨を削って低くする考え方から、元の形を残して弱いところを補強する考え方へ移ってきました[6]。その流れの一つとして、口の中から骨を切って板で固定し、鼻すじの構造をほぼ触らずに鼻を真っ直ぐにする方法が報告されています[7]。

ただし報告した医師自身が、鼻すじの形が解剖学的に適した人に限ると条件を付けています[7]。こぶがある、鼻すじ自体が大きくゆがんでいる、といった場合は、この方法の対象から外れます。

戻りやすいと言われるのは、なぜ?

軟骨が元の形に戻ろうとする力と、傷が治る時の引きつれが、直した位置を押し戻すからです[2]。曲がった鼻の矯正は、他の鼻の手術より戻りが多いことで知られています[2]。鼻の手術全体では、合併症の割合が8〜15%と報告されています[8]。

一方で、組み直しを徹底すれば長く安定したという報告もあります。同じ医師が2014年から2020年に手術した360人を2年以上追った研究では、術後1か月と24か月の計測の差はわずかで、一部が戻って再手術になったのは1人でした[2]。この研究は経験の多い医師1人の結果で、施設や術者が違えば同じ数字にはなりません[2]。

鼻を打ったばかりなら、いつ手術する?

骨折の直後に、整復と一緒に矯正まで行う選択肢があります。急性期の鼻骨骨折で整復と鼻の形成を同時に受けた45人の報告では、医師の満足の平均が10点中7.62、患者さんの満足の平均が8で、骨折の型による差はありませんでした[9]。

年齢が若い場合は、成長を待つのが原則です。国内のガイドラインは、鼻中隔や鼻骨などの硬い組織に対する二次修正は、鼻の成長が終わる年齢(女性15歳、男性17歳)以降に最終的な手術として行うのが原則だとしています[10]。

診察で確認したいこと

確かめたいのは、曲がりの主な場所が骨か軟骨か両方か、自分の曲がりがどの型か、そしてどの要素をどう組み合わせるかです。オープン法(鼻柱を切って開く方法)は視野が広く、ゆがんだ構造をそのまま整えやすいとされます[11]。切開の場所と理由もあわせて聞いてみてください。

鼻づまりがあるなら、その原因が中隔の曲がりかどうかを診察で見てもらうことが、術式を決める材料になります。戻りの可能性と、戻った時にどう対応するかも、手術の前に医師と共有しておきたい点です。

もう少し詳しく聞いてみる