鼻孔縁を下ろす手術、軟骨移植と複合組織移植はどこで選び分ける?

鼻孔縁を下ろす手術は決まった一つの術式ではなく、鼻翼縁への軟骨移植、外側脚を対象にした移植、耳から採る複合組織移植という三つの型を組み合わせて行います。どれを使うかは好みではなく、足りないものが支えなのか組織量なのかで決まります。

鼻孔縁を下ろす手術は、決まった一つのやり方ではありません。鼻翼縁(小鼻のふち)への軟骨移植、外側脚(ふちを支える軟骨)を対象にした移植、耳から採る複合組織移植(皮膚と軟骨をひとかたまりで移す方法)という三つの型を組み合わせて行います[1]。どれを使うかは好みではありません。足りないものが「支え」なのか「組織の量」なのかで決まります[2][3]。

移植の型は三つに分かれる

三つの型は、足している場所が違います。鼻翼縁への軟骨移植は、ふちのすぐ内側に細い軟骨を置いて、縁の形を保ちます。外側脚への移植は、縁を支える軟骨そのものに働きかけます。複合組織移植は、皮膚と軟骨をひとかたまりで補って、足りない内張り(鼻の内側の粘膜)を埋めます[1][2]。同じ「鼻孔縁を下ろす」という説明でも、中身はこれだけ違います[3]。

軽い後退にはどこまで届く?

届きます。後退が軽ければ、鼻翼縁に軟骨を移植する方法で形が整います[2]。ただし、この方法は縁の外側よりが上がっている場合には効きにくいです。同じ移植を重ねても、縁が下りてこないことがあります[2]。届く範囲を超えていると見立てられたときは、次の型に移ります。

外側が強く上がっているときの選択

外側の後退が強い場合は、移植の範囲を広げるか、縁を支える外側脚そのものを尾側(下の方向)へ移す操作を選びます[2]。教科書では、外側脚を延長する移植のほうが、鼻翼縁への移植より安定していて、直したい場所を狙いやすいとされています[3]。口唇口蓋裂(生まれつき唇や口の天井に裂け目がある状態)の鼻の手術でも、延長型の外側脚支柱移植(外側脚を支えて延長する移植)と延長型の鼻翼縁移植が、鼻先と縁の支えを増す方法として挙げられています[4]。

内張りが足りないときは何を足す?

内張り(鼻の内側の粘膜)が足りない状態では、支えだけを足しても縁は下りません[3]。重い後退では、支えを立て直す外側脚支柱移植と、内張りを補う皮膚軟骨の複合移植を組み合わせるのが基本の形です[3]。耳から採った皮膚と軟骨を、鼻の内側の形に合わせて縫い付け、形と機能の両方を戻せたという報告もあります。ただし、これは鼻翼の全層欠損(皮膚から粘膜まですべて欠けた状態)に対する再建の話です。通常の後退にそのまま広げるには、慎重さが必要です[5]。

移植を足さずに下ろす方法はある?

はい、あります。鼻翼のしわの位置から三角の皮弁(根元を残したまま動かす皮膚と組織)を全層(皮膚から粘膜まで全部)で起こし、尾側(下の方向)へ前進させる「外側V-Y形成」という方法が報告されています[6]。一回の手技だけで自然な縁の形を戻せたとされています。傷あとをくぼんだ部分に置けるため、目立ちにくいという利点も挙げられています[6]。ただし、この報告は一つの施設の限られた症例をまとめたもので、ほかの術式と比べた試験ではありません。どこまで使えるかは、まだはっきりしていません[6]。

自分の場合はどう決まる?

決め方の順番は、まず後退の強さを見ます。次に、足りないのが支えなのか内張りなのかを分けます。そのうえで、採れる移植材を確かめる流れになります[1][3]。初めての手術か、修正の手術かで使える組織が変わります。過去に手術を受けているかどうかは、早い段階で伝えておくと話が進みます[1]。どの型が向くかは、鼻の内側まで診察したうえで医師が個別に判断します。

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