小鼻縮小(鼻翼縮小)は、小鼻の付け根の皮膚を一部切り取って、鼻の幅や小鼻の張り出し、鼻の穴の大きさを小さくする手術です[1]。変えられるのは小鼻の付け根まわりで、鼻先の形や鼻の高さは別の手術の仕事になります[2]。どこを切るかは、悩みが「横への張り出し」なのか「鼻の幅そのもの」なのかで変わります[3]。
小鼻縮小で変えられるのは、どこ?
変えられるのは、小鼻の付け根の幅、横への張り出し、鼻の穴の大きさ、そして左右差です。鼻の付け根の手術をまとめた総説では、この手術が必要になる代表的な悩みとして、鼻の付け根が広い、小鼻が横に張り出す、鼻の穴が大きい、鼻の穴や小鼻に左右差がある、の4つが挙げられています[1]。
同じ「小鼻が大きい」でも、ずれ方は一つではありません。小鼻の付け根の変形は、横方向の過不足、縦方向の過不足、付け根の位置が上すぎる・下すぎる、鼻の穴の底(鼻孔底)が広い・狭い、鼻柱の付け根の問題に分けて考えます[1]。どの軸のずれかで、切る場所と量の設計が変わります[1]。
切り取り方は3つ、どう違う?
基本の切り方は3種類です。小鼻の付け根のくぼみに沿って三日月形に切る方法(外側法)、鼻の穴の底を切る方法(内側法)、その両方を組み合わせる方法です[1]。
外側の三日月形の切除は、小鼻のふくらみを小さくして縦の長さを短くし、正面から見た横への張り出しを減らすために使います[1]。教科書では、張り出しだけなら外側の切除で足り、左右の小鼻の間の幅そのものを狭めたいときは、鼻の穴の底の切除も合わせて行うと整理されています[3]。
切らずに、皮下の縫合で付け根を左右対称に寄せる方法も報告されています[4]。外側の切開線を、人中を短くする手術(リップリフト)の切開線に組み込む方法もあります[4]。
小鼻縮小だけでは足りないのは、どんな鼻?
鼻の穴が短くて付け根が広いタイプは、小鼻縮小だけでは物足りなくなりやすい形です。アジア人の鼻形成の教科書では、この場合は鼻の穴の長さを出す手術を同時に行わないと、きれいな形になりにくいと書かれています[5]。
鼻柱(左右の鼻の穴を隔てる壁)の付け根にゆがみがある場合は、小鼻を切る前にそこを直すのが手順の基本です[1]。鼻柱の付け根を整えることは、見た目だけでなく、鼻の入り口の通り道(外鼻弁)の働きを保つ意味もあります[1]。
鼻全体で見ると、小鼻縮小は単独ではなく、鼻先の手術と組み合わせて付け根と鼻先のバランスを取ることが一般的です[2]。小鼻だけを小さくして鼻先はそのまま、という設計が合うかどうかは、鼻先との釣り合いで決まります[2]。
取りすぎるとどうなる?戻しにくい理由
小鼻は、取りすぎると戻すのが難しい部位です。過去の鼻整形で小鼻や鼻の穴を切り取りすぎたことは、付け根が狭くなりすぎる原因の一つに挙げられています[5]。鼻先を高く出す手術のあとに、付け根が狭く見えるようになることもあります[5]。
鼻の手術で削りすぎ・取りすぎが起きると、小鼻の付け根の溝が深くなる、小鼻が上に引きつれる(鼻翼退縮)、鼻の入り口がつぶれて息がしにくくなる(外鼻弁の虚脱)といった問題が知られています[6]。総説の著者は、いちばんの対策は取りすぎを避けることだと述べ、直す場合は軟骨などを足す移植が要ると書いています[6]。
鼻の幅を狭めることは、見た目だけでなく空気の通り道にも関わります。縮小の操作は鼻の中が狭くなって息が通りにくくなるリスクと隣り合わせなので、見た目と呼吸のバランスを慎重に取る必要があると総説は強調しています[4]。
顔の幅が広いと、小さくしすぎて逆効果?
顔の幅が広い人では、小鼻を小さくしすぎると、かえって顔の横幅が目立って見えることがあります[5]。教科書は、数字そのものより顔全体との調和を優先して手術を決めるべきだと注意しています[5]。「何ミリ狭める」より「この顔で釣り合う幅はどこか」が判断の軸になります[5]。
診察で確認したいこと
確かめたいのは、自分の悩みが「張り出し」「幅」「穴の大きさ」「左右差」のどれで、それに合う切り方はどれかです[1]。切除の設計は横・縦・上下・鼻の穴の底の広さという軸で個別に決めるので、同じ手術名でも人によって切る場所と量が変わります[1]。
鼻柱の付け根の状態、鼻の穴の長さ、顔の横幅との釣り合いは、記事だけでは決められません[1][5]。診察では鼻の穴の底や鼻柱の位置も含めて診てもらい、小鼻縮小だけで届く範囲か、別の手術を組み合わせるべきかを医師と確認してください。
- 1Çerkeş N. Alar Base Reduction. Clinics in Plastic Surgery. 2022. doi:10.1016/j.cps.2021.08.007
- 2Structure Rhinoplasty. Vol.2, alar base reduction chapter.
- 3Daniel's Rhinoplasty Atlas. Aesthetics (extrinsic) chapter. 2018.
- 4Fakurnejad S, Mohan S, Seth R, Knott PD. Functional and Cosmetic Considerations in Gender-Affirming Feminization Rhinoplasty. Otolaryngologic Clinics of North America. 2025. doi:10.1016/j.otc.2024.08.001
- 5Atlas of Asian Rhinoplasty. Alar Base Reduction / Correction of Unpleasing Nostril Shape / Correction of Cephalically Malpositioned Alar Base. 2018.
- 6Moritz E, Asaria J. When Reductive Rhinoplasty Goes Wrong and How to Make it Right. Facial Plastic Surgery. 2025. doi:10.1055/a-2577-2805