眼瞼下垂の手術、まぶたはどれだけ上がる?研究から見えた期待値と限界

眼瞼下垂の手術は、まぶたの高さを上げ、上の方の視野を広げる効果が研究で確かめられています。軽い〜中くらいの下垂では、まぶたの表から行う方法と裏から行う方法で、上がり方はほぼ同じでした。

眼瞼下垂の手術は、まぶたの高さを上げ、上の方の視野を広げる効果が研究で確かめられています[1][2]。軽い〜中くらいの下垂では、まぶたの表から行う方法と裏から行う方法で、上がり方はほぼ同じでした[1]。一方で、上がり方には人によって差があり、頭痛や肩こりへの効果を確かめた研究は今回見つかりませんでした[3]。

手術で、まぶたはどれくらい上がる?

研究では、まぶたの高さを「黒目の中心からまぶたのふちまでの距離(MRD1)」で測ります。まぶたの裏からミュラー筋(まぶたを上げる筋肉の一つ)を縮める手術を受けた33人では、この距離が平均1.20mmから3.35mmに広がりました[2]。

まぶたを上げる筋肉の働きがよい人を対象にした別の研究でも、手術の12か月後まで、まぶたが上がった状態が保たれていました[3]。手術前の検査で反対の目に影響が出なかった人では、片目だけ手術しても、反対の目のまぶたの位置はほとんど変わりませんでした[2]。

表から切る方法と裏から行う方法で、違いはある?

軽い〜中くらいの下垂では、大きな違いはありません。アメリカ形成外科学会の指針では、表から筋肉の膜を前に出す方法(挙筋前転術)とミュラー筋の手術で、視野の改善はほぼ同じでした(MRD1の平均1.8mmと1.7mm)[1]。

そのため指針では、本人の希望や状況に合わせて方法を選ぶことがすすめられています[1]。83人112眼の研究では、加齢による下垂など原因の種類によって、手術の結果に差はありませんでした[4]。

下垂が重い場合は、何が変わる?

下垂が重い場合は、表から行う方法のほうが長い目で見た視野の改善で優れ、合併症の割合は同じくらいと報告されています[1]。まぶたを上げる筋肉の力がとても弱い人では、おでこの筋肉の力を借りてまぶたを吊り上げる方法が使われます[5]。

生まれつきの眼瞼下垂では、日本の形成外科の指針でも挙筋前転術がすすめられています[6]。眉が下がっていることが原因の一部なら、眉を上げる手術などで視野と見た目の改善が期待できます[6]。

研究で、まだ分かっていないことは?

まぶたの上がり方には、人によってばらつきがあります。目薬の検査(フェニレフリン試験)の反応で分けた64眼の研究では、12か月後の上がり幅は、反応した人で1.81mm、反応しなかった人で2.50mmと差が出ました[3]。

また、似た方法どうしを直接比べた研究は少なく、指針でも根拠の質が「とても低い」と書かれた項目があります[1]。頭痛や肩こりが手術で良くなるかを確かめた研究は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。

目そのものへの影響も、少しずつ分かってきています。角膜の移植を受けた7眼の研究では、手術のあと角膜のゆがみの一部が小さくなりました[7]。

手術以外の方法は、どこまで期待できる?

目薬で、まぶたを一時的に少し上げる方法もあります。オキシメタゾリンという目薬の5つの研究、458人のまとめでは、MRD1が平均1.40mm上がりました[8]。

ただし、研究どうしの結果には大きなばらつきがありました[8]。目薬は手術のかわりというより、手術を考える前の選択肢の一つとして相談するとよいでしょう。

自分に向く方法を、どう確かめる?

方法を選ぶときの目安は、次の3つです。

まぶたを上げる筋肉の力が残っているか:残っていれば表からでも裏からでも選べます[1][5]

下垂の重さ:重い場合は表から行う方法が長い目で見て有利です[1]

眉の下がりや、まぶたの皮膚のたるみがあるか:別の手術を合わせることがあります[6][1]

診察では、どこを確かめる?

どの方法がよいかは、記事だけでは決められません。まぶたを上げる筋肉の力や、眉の位置、皮膚のたるみは、実際に測って判断するからです。

診察では、まぶたの高さと筋肉の力をどう測ったか、表と裏のどちらから行うか、上がりすぎや左右差が出たときの対応を確かめておきましょう。

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