ポテンツァのような針から高周波を届ける治療は、ニキビ跡のへこみに対して、削るタイプのレーザーと近い効果が報告されています[1][2]。違いが出やすいのは効果より回復のしかたで、針の治療のほうが赤みや色素沈着が軽く、回復が早い傾向です[1]。ただし痛みは針の治療のほうが強かったという報告もあり、深い傷あとではレーザーが第一の選択とされています[2]。
針の種類で、何が変わる?
針の種類でいちばん変わるのは、熱を届ける深さと、肌の表面への負担です。針の根元を覆った「絶縁針」は、熱を肌の深い層に集めます[3]。根元を覆わない「非絶縁針」は針全体から熱が出るため、表面の皮膚まで傷つくおそれがあると指摘されています[3]。
高周波の流し方にも種類があります。広く深く温める方式は痛みが強くなりやすく、2本の電極の間だけを温める方式は、目のまわりのような繊細な場所に向くとされています[3]。どの針と設定を使うかは、悩みの深さと場所で決まります。
レーザーと比べて、効果は違う?
ニキビ跡のへこみでは、効果は大きく変わらないという報告が多いです。30人の顔の片側ずつに、非絶縁針の高周波と削るタイプの炭酸ガスレーザーを1回行った試験では、効果に差はありませんでした[1]。どちらの側も、およそ95%の人が「満足」以上と答えています[1]。
タイの397人を比べた研究でも、6か月後に傷あとが25%以上良くなった人は、高周波で88.1%、レーザーで71.9%でした[2]。ただし、統計の上ではどちらが上とまでは言えませんでした[2]。
やけどあとの盛り上がった傷あと20人の比較では、炭酸ガスレーザーのほうが改善の一部が大きく、針の高周波は回復が早い結果でした[4]。傷あとの種類によって、向く治療が入れかわることがあります。
ダウンタイムと痛みは、どちらが軽い?
赤みや色素沈着は、針の高周波のほうが軽い傾向です。先ほどの30人の試験では、レーザー側で治療後1〜2か月の赤みやメラニンの値が高く、痛みもレーザー側で強く出ました[1]。
一方、397人の研究では、痛みは高周波のほうが強く、色素沈着はどちらもまれでした[2]。痛みの感じ方は機種や設定でも変わるので、麻酔の方法もあわせて聞いておくと安心です。
設定の強さも経過に影響します。エネルギーや針の密度を上げるほど、赤みが長引いたり、色素沈着が起きやすくなったりしたと報告されています[5]。
薬剤を一緒に入れると、効果は上がる?
肝斑では、薬剤を足しても効果の上乗せははっきりしませんでした。肝斑のある30人に、針の高周波のあとPN(ポリヌクレオチド)を片側だけ使った試験では、6か月後の改善に左右の差はありませんでした[6]。
この試験では、高周波だけでも肌のざらつきや肝斑の点数は良くなりました[6]。ただし最後の治療から2〜4か月で、10人に1人ほど(10%)に肝斑の再発がみられています[6]。
自分に向くのは、どれ?
目安は、傷あとの深さと、休める日数です。
赤みや色素沈着をなるべく避けたい、仕事を長く休めない:針の高周波が候補になります[1]
深い傷あとや盛り上がった傷あとが中心:レーザーとも比べて決めます[2][4]
肝斑もある:針の高周波は補助の治療として使い、再発に気をつけます[6][3]
針の治療とレーザーの比較研究は人数が少なく、どちらが上かは研究によって結論が分かれています[7]。なお、この記事はポテンツァという機種そのものではなく、同じしくみの治療の研究をもとに説明しています。
診察では、どこを確かめる?
どの方法が合うかは、記事だけでは決められません。傷あとのへこみ方や深さ、肝斑や赤みがあるかは、肌を見ないと分からないからです。
診察では、使う針の種類と深さ、回数と間隔、赤みが引くまでの目安、痛みへの対策を確かめておきましょう。
- 1Le QU, Sha SHA, Chundi HE, Chen HD, Wu Y. Comparison of Non-insulated Microneedle Fractional Radiofrequency and Ablative Fractional Carbon Dioxide Laser for the Treatment of Facial Atrophic Acne Scarring: A Pilot Randomized Split-face Clinical Study. Acta Dermato-Venereologica. 2025. doi:10.2340/actadv.v105.43611
- 2Yan C, Phinyo P, Yogya Y, Chuamanochan M, Wanitphakdeedecha R. Comparative Effectiveness and Safety of Fractional Laser and Fractional Radiofrequency for Atrophic Acne Scars: A Retrospective Propensity Score Analysis. Life. 2025. doi:10.3390/life15091379
- 3Zhang B, Tan X, Zhang Q, Wu M. The Landscape of Radiofrequency Technology for Skin Rejuvenation. Health Science Reports. 2025. doi:10.1002/hsr2.71575
- 4Tawfic SO, Hassan AS, Aly FESH, Elbendary A, Shaker OG, AlOrbani AM. Fractional microneedle radiofrequency versus fractional carbon dioxide laser in the treatment of postburn hypertrophic scars. Lasers in Surgery and Medicine. 2022. doi:10.1002/lsm.23589
- 5Boonchoo K, Hongcharu W. The Efficacy and Safety of a Single Treatment of High-Intensity, High-Frequency, Non-Focused Ultrasound Parallel Beams for Facial Acne Scars in Asian Patients: A Preliminary Study. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.70134
- 6Gulfan MCB, Wanitphakdeedecha R, Wongdama S, Jantanapornchai N, Yan C, Rakchart S. Efficacy and Safety of Using Noninsulated Microneedle Radiofrequency Alone Versus in Combination with Polynucleotides for the Treatment of Melasma: A Pilot Study. Dermatology and Therapy. 2022. doi:10.1007/s13555-022-00728-8
- 7Mujahid N, Shareef F, Maymone MBC, Vashi NA. Microneedling as a Treatment for Acne Scarring: A Systematic Review. Dermatologic Surgery. 2020. doi:10.1097/DSS.0000000000002020