鼻骨骨切り幅寄せが向くのは、鼻の付け根から中ほどの幅が、骨そのものの広さのせいで太く見えている人です。鼻先や小鼻の広がりが原因なら、骨を寄せても解決しにくいことがあります。鼻骨が小さい人や、もともと鼻の通りが気になる人は、慎重に考える必要があります。
骨切り幅寄せで、何が変わる?
鼻の骨の付け根を切って内側へ寄せ、骨の部分の鼻筋の幅を狭くします[1]。鼻骨が広い場合は、左右両側で骨を切ります[1]。
アジア人106人の研究では、骨の部分の鼻の幅が平均8.51mm狭くなり、鼻の高さは変わりませんでした[2]。鼻の側面の傾きも、平均155度から135.25度に変わっていました[2]。
どんな人に向いている?
教科書では、骨切りの主な目的として、広い鼻骨を狭める、ハンプ(鼻筋のこぶ)を削ったあとに開いた天井を閉じる、曲がった鼻骨を直す、などが挙げられています[3]。
アジア人の広い鼻骨は、わし鼻のようなこぶを伴うことが多く、こぶの処理とあわせて考えることになります[4]。眉から鼻先へ続く鼻筋のラインを整える目的でも使われます[3]。
向かない、慎重になるのはどんな人?
鼻骨が小さい人です。アジア人に多い小さな鼻骨で何か所も骨を切ると、骨が細かく割れて崩れるおそれがあります[4]。そのため、まずは骨を切らずに目立たなくする方法を考えるべきだと教科書は勧めています[4]。
鼻の土台が広い人でも、狭めすぎないよう慎重に骨を動かすことが勧められています[5]。狭くするほどよい、というものではありません。
鼻の通りが悪くなることはある?
あります。外側の骨切りでは骨と軟骨が内側へ動くため、鼻の空気の通り道も狭くなります[3]。この影響は、鼻骨が長い人ほど大きくなります[3]。
そのため、通り道を保つための軟骨の移植(スプレッダーグラフト)が勧められる場合があります[3]。鼻筋が逆V字にくぼむ変形を防ぐ目的もあります[3]。もともと鼻づまりがある人は、事前に伝えておくことが大切です。
腫れや内出血、骨の段差はどのくらい?
外側の骨切りは、鼻の手術後の腫れと内出血の主な原因と考えられています[6]。超音波の振動で骨を切る方法(ピエゾ)は、従来の器具より腫れ・内出血・痛みが少なかったと、10研究・554人のまとめで報告されています[7]。
骨を切った跡の段差も起こりえます。30人の左右で比べた研究では、鼻の内側から切った側の47%、皮膚側から切った側の36%に段差がみられました[8]。どちらから切るのがよいかは、研究によって結果が分かれています[6]。
受ける前に確かめておきたいこと
判断の目安は3つです。1つ目は、鼻筋の太さが骨によるものか、鼻先や皮膚によるものかです[1]。2つ目は、鼻骨の大きさと長さです[3][4]。3つ目は、もともとの鼻の通りです[3]。
鼻骨の大きさや長さは、見た目だけでは分からないことがあります。自分の鼻で骨を切るべきか、切らずに整える方法が合うかは、診察で医師に確認してください。
- 1Structure Rhinoplasty, Vol.2. pages 0351-0375(外側骨切りは骨性鼻背を狭め、鼻骨が広い場合は両側で行う)
- 2Zhang J, Chen A, Liu Y, et al. Lateral Osteotomy for the Surgical Treatment of the Asian Wide Nose. The Journal of Craniofacial Surgery. 2023. doi:10.1097/SCS.0000000000009615
- 3Atlas of Asian Rhinoplasty (Suh, 2018). Osteotomy(骨切りの主な適応は、ハンプ切除後のオープンルーフを閉じる、広い鼻骨を狭める、狭い鼻骨を広げる、曲がった鼻骨を含む骨の変形を直すこと。外側骨切りは鼻骨と上外側軟骨を内側へ動かして気道を狭め、その影響は鼻骨が長いほど大きい。機能障害と逆V字変形を防ぐためスプレッダーグラフトが適応となる)
- 4Atlas of Asian Rhinoplasty (Suh, 2018). Contents; Intermediate Osteotomy(アジア人の広い鼻骨はハンプを伴うことが多い。鼻骨の小さいアジア人で複数の骨切りを行うと鼻骨の断片化と崩れの危険があり、まずカモフラージュ法を考えるべき)
- 5Structure Rhinoplasty, Vol.3. pages 0876-0900(鼻の土台が広い場合も、狭めすぎないよう鼻骨は慎重に動かす)
- 6Ong AA, Farhood Z, Kyle A, Patel KG. Interventions to Decrease Postoperative Edema and Ecchymosis after Rhinoplasty: A Systematic Review of the Literature. Plastic & Reconstructive Surgery. 2016. doi:10.1097/PRS.0000000000002101
- 7Khajuria A, Krzak AM, Reddy RK, et al. Piezoelectric Osteotomy versus Conventional Osteotomy in Rhinoplasty: A Systematic Review and Meta-analysis. Plastic and Reconstructive Surgery Global Open. 2022. doi:10.1097/GOX.0000000000004673
- 8Mandegari M, Zand V, Baradaranfar M, Vaziribozorg S, Sadeghi E. Efficiency–Efficacy Assessment of External Lateral Osteotomy Technique Versus Internal One in the Rhinoplasty. Indian Journal of Otolaryngology and Head & Neck Surgery. 2022. doi:10.1007/s12070-021-02777-5