下眼瞼下制術(たれ目形成)は、下まぶたのふちを下げて、目を縦に大きく見せる手術です。方法はまぶたの裏から行うか表の皮膚も切るかで分かれ、表から切る方法では外反(まぶたが外にめくれること)や白目の見えすぎが起こりやすいという分析があります[1]。ただしこれは骨折の手術の比較で、美容目的で2つを直接比べた研究は見つかっていません。
表から切る方法と裏からの方法、何が違う?
目のまわりの骨折の手術で、まつ毛の下の皮膚を切る方法と、まぶたの裏から入る方法を比べた分析があります[1]。19の研究、2103人をまとめた結果です[1]。
まつ毛の下を切る方法では、なりやすさ(オッズ比という指標)が、外反で約2.9倍、白目の見えすぎで約2.3倍、目立つ傷あとで約5.6倍でした[1]。逆に、裏から入る方法では、まぶたが内側にめくれる内反が起こりやすい結果でした[1]。
これは骨折の手術の結果で、美容のたれ目形成とは目的が違います。それでも、表と裏でトラブルの出方が違うという点は、方法を比べるヒントになります。
美容のたれ目形成では、どんな結果が報告されている?
美容目的の研究では、中国の63人に、下まぶたの土台(瞼板)を目の下の骨の膜に糸でとめて下げる方法が報告されています[2]。全員で目じり側の下まぶたが下がり、目の外側が縦に広がりました[2]。
一方で、5人(7.9%)は、下げた形が一部戻ったため満足しきれませんでした[2]。下げた形がどれだけ保てるかは、方法を比べるときの大事な点です。
この研究では、目が前に出ている人や、下まぶたの弾力が弱い人は対象から外されていました[2]。
外反や白目の見えすぎは、なぜ起こる?
下まぶたの皮膚や筋肉を取りすぎると、まぶたのふちが前に引っぱられ、外反につながることがあります[3]。下まぶたの皮膚を控えめに切ることは、白目の見えすぎや外反を防ぐ基本とされています[4]。
もともと下まぶたの皮膚や腱がゆるんでいる人もいて、それが手術後のトラブルにつながることがあります[3]。骨折の手術の分析でも、外反が起こりやすいのは年齢の高い人や下まぶたがゆるんでいる人でした[1]。
自分に合う方法は、どう選ぶ?
下まぶたの手術は、まぶたそのもの、目じり、ほおとのつながりのどこに課題があるかを見て、人ごとに方法を組み立てるのが基本です[5]。下まぶたの手術では、目じりを支える処置を加えることも増えています[6]。
表から切るかどうかは、余った皮膚も一緒に取る必要があるかと、外反や傷あとのリスクをどこまで受け入れるかの兼ね合いで考えます[1][4]。目が前に出ている人や、まぶたの弾力が弱い人は、下げる手術そのものが向かない場合があります[2]。
診察では、何を確かめる?
どのくらい下げられるか、どの方法が合うかは、まぶたの弾力や目の出方を診ないと決められません。手術前の診察で、まぶたのゆるみを確かめることが大切だとされています[3]。
診察では、表と裏のどちらから行うか、目じりの処置を加えるか、形が戻ったときや外反が出たときにどうするかを、医師に確認しておきましょう。
- 1Chen YY, Lai YJ, Chen TY, Yen YF. Eyelid Complications in Subciliary Versus Transconjunctival Approaches to Orbital and Zygomaticofacial Fractures: A Meta-Analysis. Journal of Clinical Medicine. 2025. doi:10.3390/jcm14186431
- 2Ma J, Lin H, Pan B, Xue H. Vertical enlargement of the palpebral aperture by surgical modification of the lower eyelid: A new cosmetic option for Chinese patients. Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery. 2020. doi:10.1016/j.bjps.2020.01.028
- 3Su X, Chen D, Zhuang J, Hu J, Cai N, Ou Y, et al. A 7-year analysis of complaints related to Asian blepharoplasty. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.16271
- 4Cummings Otolaryngology: Head and Neck Surgery. 7th ed. Chapter 25: Key Points(下眼瞼形成術での控えめな皮膚切除).
- 5Tarabishy S, Bahat D, Janssen PL, Zins JE. Lower Lid Blepharoplasty, Selecting Your Approach. Clinics in Plastic Surgery. 2024. doi:10.1016/j.cps.2024.08.003
- 6Neligan Plastic Surgery. 5th ed. Volume 2: Aesthetic. Chapter 10(下眼瞼形成術における外眼角の支持).