真皮移植には、真皮だけを折りたたんで入れる方法と、脂肪がついたまま入れる真皮脂肪移植があり、どちらも時間がたつと一部が吸収されます[1]。脂肪つきの真皮脂肪移植は吸収のされ方が読みにくく、それを補うために真皮だけを折りたたむ方法が試されています[2][1]。どちらも、皮膚が薄い人でも自然な高さを出しやすいのが強みです[2]。
「真皮だけ」と「脂肪つき」、何が違う?
大きな違いは、どれだけ残るかの読みやすさです。真皮脂肪移植は吸収されて、仕上がりが予測しにくいのが弱点です[2]。
真皮だけを折りたたむ方法は、その吸収の多さを補う目的で使われています[1]。14人を調べた研究では、手術から6か月のあいだに移植した真皮の高さが38%減りました[1]。
それでも、鼻筋全体のボリュームの変化は小さく、6か月を過ぎると落ち着いていました[1]。ただ人数が少ない研究で、結果を広く当てはめるにはさらに調べる必要があります[1]。
真皮移植が向いているのは、どんな人?
鼻の皮膚が薄い人や、使える軟骨が足りない人に向いています[2]。眉間に近い鼻の付け根や、鼻筋のボリュームを補う目的で使われます[2]。
以前に注入した異物を取り除いたあと、皮膚が薄くでこぼこになった鼻にも、プロテーゼや軟骨より真皮脂肪が合うと考えられています[2]。プロテーゼを抜いて真皮脂肪に入れ替えると、皮膚の薄さや浮き出しに対応できますが、細い血管の浮き出しは残ることがあります[2]。
軟骨やプロテーゼと比べると、どう違う?
残りやすさで比べると、軟骨のほうが吸収は少なめです。細かく刻んだ軟骨は、真皮脂肪や筋膜より吸収されにくい素材です[2]。肋軟骨も、真皮脂肪よりずっと吸収が少なくてすみます[2]。
シリコンのプロテーゼは手軽な一方で、感染や皮膚から出てくるおそれがよく議論されます[3]。1人の医師が1019人に行った記録では、最も多い問題は位置のずれで4%、皮膚から出てきたのは1%未満でした[3]。ただ、プロテーゼのよさを示すための1人の医師の報告である点には注意が必要です。
プロテーゼで感染が起きると、抜く必要があります[4]。その後の入れ直しに、真皮脂肪が使われることもあります[4]。
どれか1つが一番よい、と言える?
言えません。鼻を高くするための最もよい方法は決まっておらず、素材と方法はその人に合わせて選ぶ必要があります[5]。
自分の組織を使う方法は体になじみやすい反面、吸収や、組織を取った場所の負担があります[5]。人工の素材はその負担がない反面、ずれや皮膚から出てくるおそれがあります[5]。
選ぶときに、何を比べればいい?
比べたいのは、次の3つです。1つ目は、どのくらいの高さが必要か。2つ目は、鼻の皮膚の厚さと、これまでの鼻の治療歴。3つ目は、吸収で少し低くなることを受け入れられるかです。
記事だけでは、自分の鼻にどの素材が合うかは決められません。診察では、皮膚の厚さ、望む高さ、これまでのプロテーゼや注入の経験を伝え、真皮をどこから取るのか、どのくらい吸収を見込むのかを確認してください。
- 1Kim DG, Kim KH, Cha HG, Nam SM, Lee JC, Park ES. Volume Retention of Folded Dermal Graft After Augmentation Rhinoplasty. Journal of Craniofacial Surgery. 2025. doi:10.1097/SCS.0000000000011723
- 2Suh MK. Atlas of Asian Rhinoplasty. Springer; 2018. Dorsal Augmentation with Dermofat / Diced Cartilage / Solid Block Costal Cartilage / General Considerations(真皮脂肪移植は吸収され結果が予測しにくいが、皮膚が薄い人でも自然に高さを出せる。刻んだ軟骨・肋軟骨は真皮脂肪より吸収が少ない).
- 3Kwan E, Truong A, Park J. Thirty-Year Experience in Augmentation Rhinoplasty Using Silicone Implants: A Safer, Cheaper, Faster, and More Effective Technique. Aesthetic Surgery Journal. 2025. doi:10.1093/asj/sjaf102
- 4Kim H, Kim JH, Koh IC, Lim SY. Immediate secondary rhinoplasty using a folded dermofat graft for resolving complications related to silicone implants: A case report. World Journal of Clinical Cases. 2024. doi:10.12998/wjcc.v12.i14.2426
- 5Kao WP, Lin YN, Lin TY, Huang YH, Chou CK, Takahashi H, et al. Microautologous Fat Transplantation for Primary Augmentation Rhinoplasty: Long-Term Monitoring of 198 Asian Patients. Aesthetic Surgery Journal. 2016. doi:10.1093/asj/sjv253