VASER、レーザー、パワーアシスト。脂肪吸引の機器で何が変わる?

脂肪吸引の機器で変わるのは、脂肪を先に「ほぐす」工程があるかどうかと、その熱や振動が皮膚と周りの組織に何をするかです。超音波を使うVASERは従来法より皮膚の縮みが大きく出血が少なかったという比較試験がありますが、痛み、腫れ、見た目の満足は6か月の時点で差がありませんでした。

脂肪吸引の機器で変わるのは、脂肪を先に「ほぐす」工程があるかどうかと、その熱や振動が皮膚と周りの組織に何をするかです。超音波を使うVASERは従来法より皮膚の縮みが大きく出血が少なかったという比較試験がありますが、痛み、腫れ、見た目の満足は6か月の時点で差がありませんでした[1]。取れる量や仕上がりを決めるのは機器より医師の設計と技術で、機器はその道具の一つです。

機器ごとに、何をしている?

従来の脂肪吸引は、細い管(カニューレ)を動かして脂肪を削り取ります。パワーアシストは、その管を機械で細かく振動させて脂肪の除去を助け、術者の体の負担を減らす方法です[2]。どちらも脂肪を「ほぐす」工程はありません。

VASERは、細い棒状の探子から超音波を出して脂肪を乳化(やわらかく溶かすように)してから吸う方法で、以前の中空の管を使う超音波機器に比べて設計が改良された第3世代の機器です[1]。レーザーは光の熱で脂肪を溶かします。教科書は、レーザーや超音波などのエネルギー機器が手術時間、術者の疲労、回復期間、術後の痛みを減らすと説明しています[3]。

VASERと従来法、比較試験で何がわかった?

同じ人の左右で比べた無作為化試験が1本あります。20人の体の左右を従来法とVASERに割り付けた多施設の試験では、皮膚の縮みが吸引1リットルあたり3か月で15.4%対10.1%、6か月で17.0%対11.1%と、VASER側で大きく、出血は吸引100ccあたり11.2cc対14.0ccで、VASER側が26%少ない結果でした[1]。

一方で、痛み、腫れ、見た目、患者さんと医師の好みといった主観の評価は、6か月の時点で両側に差がありませんでした[1]。この試験を読み直した別の総説は、皮膚の縮みの差を6%、出血の差を100ccあたり3ccと表現し、利点は小さいと評価しています[4]。同じ数字でも、どこに重みを置くかで読み方が変わる例です。

レーザーはどう?

皮膚の縮みを報告した研究はありますが、長期の追跡がありません。先ほどの試験の論文が引用した10人の研究では、レーザー併用で3か月後の皮膚の縮みが従来法より54%改善したとされる一方、長期の追跡は報告されていません[1]。

レーザーと高周波や超音波を組み合わせる機器もあります。レーザー脂肪溶解の総説は、組み合わせの利点として脂肪の減少と皮膚の引き締めの相乗効果を挙げつつ、手技が複雑になり費用が高くなる可能性を短所としています[5]。

熱を使う機器の弱点は?

熱による損傷で、輪郭がでこぼこになることがあります。教科書は、レーザー、超音波、高周波といった体内で熱を出す機器が、狙った脂肪だけでなく狙っていない脂肪や皮膚を支える組織にも影響し、熱による輪郭の変形を起こしうると記載しています[3]。

VASERは広く使われている割に、使い方の指針が長く整っていませんでした。米国の形成外科医5人が3回の合議を4か月かけて行い、機器の設定、術後の指示、副作用と合併症、良い実践について18の合意文を作ったのは2023年のことです[6]。設定と手技の差が結果に直結するからこそ、合意が必要になったと読めます。

回復の差は、どのくらい?

機器の差より、術後の過ごし方の差が大きい可能性があります。左右で比べた試験では、痛みと腫れの主観に差がありませんでした[1]。教科書はエネルギー機器が回復期間と痛みを減らすと述べていますが[3]、国内のガイドラインは機器を問わず、脂肪吸引の術後には厳重で継続的な圧迫療法とセルフケアの併用が必須だとしています[7]。

機器で選ぶ? 医師で選ぶ?

機器は道具で、どう使うかは医師が決めます。VASERを全周に使った高精細の腹部形成736件の報告は、超音波で脂肪を乳化する目的を、吸引をしやすくし、血流を保ち、長期の見た目を良くすることだと説明しています[8]。VASER脂肪吸引を単一施設で調べた研究も、狙った作用で周りの組織への負担を減らし、血管、リンパ管、皮膚を筋膜につなぐ線維を傷めないと紹介しています[9]。

これらは機器を使う側の説明で、機器そのものが仕上がりを保証するわけではありません。同じVASERでも、設定、深さ、吸引の量と範囲は医師ごとに違います[6]。「どの機器か」より「その機器で何をどう取るか」を聞く方が、結果の見通しがつきます。

診察で確認したいこと

確かめたいのは、自分の部位と皮膚の状態にその機器を選ぶ理由、熱による損傷を避ける設定と手技、そして術後の圧迫と通院の計画です。皮膚のたるみが強い部位では、縮みの差だけで期待を組み立てないよう、医師に率直に聞いてみてください。

皮膚の厚みや脂肪の付き方は部位と人で違い、どの機器が合うかは診察で体を見てから決めることになります。取りすぎによるでこぼこの対応も、あらかじめ聞いておきたい点です。

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