糸だけで足りる?他の治療と組み合わせる判断

糸リフトは、単独よりも他の治療と一緒に使われることが多い施術です。2020年から2024年の111,948件を集めた日本の集計では、6割を超える方が糸リフトに加えてフィラーやボツリヌス毒素などの治療も受けていました。

糸リフトは、単独よりも他の治療と一緒に使われることが多い施術です。2020年から2024年の111,948件を集めた日本の集計では、6割を超える方が糸リフトに加えてフィラーやボツリヌス毒素などの治療も受けていました[1]。単独で足りるかどうかは、悩みがたるみだけなのか、ボリュームやしわも重なっているのかで変わります[1]。

実際、どのくらいの人が組み合わせている?

半分どころか、6割を超えています。100を超えるクリニックの111,948件の集計では、6割超の方が糸リフト以外の治療も併せて受けており、糸リフトが単独の施術というより、複数の手を合わせる組み立ての一部になっていることが示されています[1]。同じ期間に、非吸収糸の使用も大きく増えていました[1]。「糸だけ」が標準ではない、というのがまず押さえどころです。

超音波(HIFU)と組み合わせると、どうなる?

回を重ねるごとに評価が上がった、という報告があります。58人を29人ずつの2群に分けた後ろ向きの観察研究では、片側に17cmのコグ糸を4本入れ、4.5mmのプローブで200ラインの超音波を当てる施術を3回行いました[2]。医師による見た目の評価は、1回目と2回目の間、2回目と3回目の間のどちらでも有意に改善していました[2]。頬の下がった脂肪の位置を測った距離も、回を追って縮まっていました[2]。

興味深いのは順番です。糸と超音波のどちらを先にしても、引き上がり方に差は出ませんでした[2]。順番より、両方を計画に入れるかどうかのほうが問題だということになります[2]。

ヒアルロン酸やボツリヌス毒素との組み合わせは?

どちらも小規模ながら報告があります。架橋ヒアルロン酸のフィラーとコグ付きPDO糸を併用した中顔面の治療では、1年と2年の時点で、評価者に伏せた形で効果と安全性を調べたパイロット研究が行われています[3]。PDOの糸とボツリヌス毒素Aを併用した10人の検討では、4か月後に90%の方が肌の質感と明るさの改善を報告し、腫れは軽く一時的で、大きな合併症はなかったとされています[4]。いずれも人数が少なく、結論というより手がかりの段階です[4]。

組み合わせれば必ず良くなる、と言える?

そこまでは言えません。併用の研究はどれも規模が小さいか後ろ向きで、比較の相手を置いていないものが多いためです[2][4]。糸の素材そのものを改良する方向の研究もあり、ヒアルロン酸をコーティングしたポリ乳酸カプロラクトンの糸をブタで180日追った実験では、コーティングなしより多くの組織指標で上回りました[5]。ただしこれは動物での実験で、ヒトでの確認はこれからだと著者が書いています[5]。

結局のところ、糸の種類より患者さんの選び方と個別の計画で結果が決まる、というのがレビューの結論です[6]。組み合わせも同じで、足せば足すほど良くなるわけではありません[6]。

自分はどちらか、診察で見分ける

見分ける軸は、悩みの正体です。下がってきた輪郭が主なら糸の役割が大きく、こけやへこみが目立つならボリュームを足す治療、動きでできる表情じわなら別の治療が主役になります。鏡の前で気になる部分を指さして、それが「下がっている」のか「減っている」のか「動いてできる」のかを医師と分けてみてください。

予算も同時に伝えたほうが現実的な計画になります。全部を一度にやる必要はなく、どれを先にすると次が決めやすいか、という順番の相談ができます。

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