隆鼻術のプロテーゼ、シリコンとゴアテックスで何が違う?

隆鼻術で使う人工物には、シリコン、ゴアテックス(ePTFE)、メドポア(高密度ポリエチレン)があり、体の中でのふるまいが違います。シリコンは穴のない素材なので周りに膜ができて取り出しやすく、ゴアテックスは鼻筋を高くする用途に向く一方、支えが要る場所には勧められていません。

隆鼻術で使う人工物には、シリコン、ゴアテックス(ePTFE)、メドポア(高密度ポリエチレン)があり、体の中でのふるまいが違います[1]。シリコンは穴のない素材なので周りに膜ができて取り出しやすく、ゴアテックスは鼻筋を高くする用途に向く一方、支えが要る場所には勧められていません[1][2]。どれが合うかは、足したい場所、皮膚の厚み、そして自分の軟骨を使えるかで変わります[2][3]。

人工物どうしで、何が違う?

いちばんの違いは、素材に穴があるかどうかと、それに対する体の反応です。シリコンは穴がなく、周りに線維の膜(被膜)ができるため、取り出すのは比較的簡単です[1]。ただし、露出や感染の率は報告によって幅があり、患者さんを慎重に選ぶ必要があると総説は述べています[1]。

メドポアは穴のある素材で、削って形を作りやすく、頬やあごに乗せる用途でよく使われます[1]。ゴアテックスは鼻筋を高くする用途に特に役立つ一方、支えが必要な場所には使えず、鼻の他の部位への使用は勧められていません[2]。

合併症の起きやすさは、どれくらい違う?

人工物どうしを直接比べた数字は限られています。2008年のメタ解析は、シリコン8報、ゴアテックス7報、メドポア5報の計20報を集め、取り出し、感染、露出、再手術の率をまとめました[2]。この解析を引いた2022年のメタ解析は、人工物は受け入れられる範囲の合併症率で、自分の組織が使いにくいときの選択肢になると要約しています[3]。

顔全体の人工物をまとめた2025年の系統的レビューでは、117研究・4,273人(平均追跡34か月)で、合併症は全体で4.4%、神経の障害2.1%、感染1.0%、血腫1.4%、ずれ0.59%、骨の吸収0.68%でした[4]。ただしこの数字は眼窩、あご、頬の人工物が中心で、鼻だけの数字ではありません[4]。同じレビューは、合併症なく回復した割合がもっとも高かったのはポリエチレン製だったと報告しています[4]。

シリコンが今も多く使われる理由は?

欠点が知られていても、シリコンは40年以上使われ、特にアジアでもっとも使われる人工物であり続けています[1]。露出、感染、ずれ、透けて見えるといった批判はありますが、経験のある医師が鼻の組織の血流を傷めないように扱えば、選ばれた患者さんでは初回でも再手術でも選択肢になるとメタ解析は述べています[2]。

感染を減らす工夫として、切開はできるだけ人工物を入れるポケットから離れた場所に置くことが、多くの著者から勧められています[1]。どこを切って入れるかは、素材と同じくらい大事な確認事項です[1]。

人工物が向かないのは、どんな鼻?

皮膚が薄い鼻と、支えが要る鼻が分かれ目です。どの人工物でも、皮膚の下の軟部組織が十分にないと、人工物が真皮に直接触れて露出が起きやすくなります[2]。支えが要る場所には、ゴアテックスは使えません[2]。

人工物の利点は、費用が抑えられること、自分の組織を取る傷がないこと、形を合わせやすいことです[3]。裏返せば、自分の軟骨を十分に取れる人にとって、人工物は「自家組織が使いにくいときの選択肢」という位置づけです[3]。

選び方の軸を3つに整理する

3つの軸で考えると整理しやすくなります。足したい場所は鼻筋だけか、鼻先の支えも要るか[2]。皮膚と軟部組織の厚みは十分か[2]。自分の軟骨を取れるか、取る傷を受け入れられるか[3]。

材料の選択は手術の目的、解剖、患者さんの希望で決まり、一人ひとりの計画が要るとレビューは結論しています[4]。長期の成績と安全性の研究はまだ足りないことも、同じレビューは明記しています[4]。

診察で確認したいこと

確かめたいのは、自分の鼻の皮膚の厚み、足したい高さ、そして支えが要るかどうかです[2]。人工物を使うなら、どの素材をどの層にどんな切開で入れるのか、感染や露出が起きたときにどう対応するのかを医師に聞いてください[1][2]。

過去の手術で被膜や傷あとがある鼻では、素材の選び方が変わります[1]。診察で鼻の中と外の状態を診てもらい、人工物と自家組織のどちらが自分の鼻に合うかを一緒に整理してください。

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