二重あごを減らす注射のうち、チンセラプラスと同じデオキシコール酸の注射は、手術をしない方法として初めて大きな試験で確かめられた方法です[1]。ホスファチジルコリンという別の成分を使う注射は、効果と安全性のデータがそろっていないと専門家の声明で指摘されていました[2]。脂肪の量が多い人や、もたつきの原因が脂肪でない人では、脂肪吸引など別の方法が合うこともあります[3]。
成分の違う脂肪溶解注射は、何が違う?
いちばんの違いは、効果と安全性がどこまで確かめられているかです。ホスファチジルコリンを使った脂肪溶解注射は、もともと承認外の使い方として広まりました[2]。
2009年の専門家会議の声明では、この注射の効果や安全性のデータはまだ確立しておらず、美容に使う前に研究を重ねるべきだとされていました[2]。その後の研究で、こうした以前の注射でも、脂肪を壊す働きの中心はデオキシコール酸だと示されています[1]。
チンセラプラスは、デオキシコール酸の注射です。ただ、チンセラプラスという製品そのものを調べた大きな試験は、まだありません。ここでは、同じ成分の承認薬(ATX-101)の試験をもとに説明します。
デオキシコール酸の注射で、どのくらい変わる?
半分を超える人で、目に見える改善がありました。ヨーロッパの2つの試験を合わせた分析では、28日ほどの間隔で最大4回注射し、医師の評価で改善した人は63.8%で、偽薬(有効成分の入っていない注射)の28.6%を上回りました[1]。
見た目に満足した人も65.4%で、偽薬の29.0%より多くなっていました[1]。脂肪が減って皮膚がたるむのではと心配する人もいますが、皮膚のたるみは基本的に悪くなっていませんでした[1]。
効果は、多くの人で最長3年保たれていました[4]。ただし、試験はどれも企業の支援を受けていたと指摘されています[4]。
脂肪吸引と比べると、どこが違う?
脂肪をしっかり減らす基本の方法は、今も脂肪吸引です[3]。変化が大きいのは手術ですが、費用や長い回復期間を避けたい人には合わないことがあります[5]。
注射は、休む期間が短く、痛みが少なく、体への負担も小さい方法です[3]。その代わり、合う人を選ぶこと、打つ人の技術、何回かの通院が必要になります[3]。冷やして脂肪を減らす治療なども、あごの下の脂肪の選択肢として使われています[5]。
腫れやしびれは、どのくらい続く?
腫れとしびれは、ほぼ全員に出ると考えておきましょう。167人の報告では、腫れが99.4%に出て平均6.9日、しびれが97.6%に出て平均29.2日続きました[6]。
多くの反応は、次の注射までの28日のあいだに落ち着き、2回目以降は短くなっていました[1]。腫れと痛みを和らげる工夫もあり、少量のステロイドと麻酔薬を混ぜた15人の小さな試験では、効果を保ったまま痛みと腫れが減っていました[5]。
重い副作用はまれです[7]。ただ、一度にたくさんの量を注射すると、重い副作用が出やすいと報告されています[7]。
口元の神経のまひは、どのくらい起こる?
まれに、口角を動かす神経が一時的にまひし、笑ったときに口元が左右で違って見えることがあります[1][6]。その頻度は試験で4.3%と報告され、脂肪吸引や首のリフト手術の1〜5%と同じくらいでした[6]。
まひは平均27.0日続き、試験ではすべて後遺症なく治っていました[1][6]。神経を避けるため、あごの骨のふちから1.0〜1.5cm下までは注射しないことがすすめられています[6]。
自分に合う方法は、診察で何を確かめる?
確かめたいのは、もたつきの原因が脂肪なのか、組織が下がっているのかです。フェイスラインのもたつきでは、組織の下がりが原因なら手術のほうが向き、皮膚の下がやせている場合は脂肪を減らす注射は向かないとされています[8]。
以前に脂肪溶解注射を受けた人、血液をさらさらにする薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、特に注意が必要です[8]。診察では、使う製品の成分、見込む回数、注射しない範囲を聞き、実際にあごの下を見てもらって決めましょう。
- 1McDiarmid J, Ruiz JB, Lee D, Lippert S, Hartisch C, Havlickova B. Results from a Pooled Analysis of Two European, Randomized, Placebo-Controlled, Phase 3 Studies of ATX-101 for the Pharmacologic Reduction of Excess Submental Fat. Aesthetic Plastic Surgery. 2014. doi:10.1007/s00266-014-0364-9
- 2Neuhann-Lorenz C, Fedeles J, Eisenman-Klein M, Kinney B, Cunningham BL. Eighth IQUAM Consensus Conference Position Statement: Transatlantic Innovations, April 2009. Plastic and Reconstructive Surgery. 2011. doi:10.1097/PRS.0b013e318206312e
- 3Shome D, van der Hulst RRWJ, Kumar V, Booi DI, Mhatre PD. Evolution and Trends of Facial Plastic Surgery and Facial Aesthetic Procedures in India: From Awakening to Revival. Aesthetic Surgery Journal Open Forum. 2023. doi:10.1093/asjof/ojad022
- 4Inocêncio GSG, Meneses-Santos D, Costa MDMA, Vieira WA, de Almeida VL, Rodrigues RPCB, Rode SM, Paranhos LR. Efficacy, safety, and potential industry bias in using deoxycholic acid for submental fat reduction: A systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials. Clinics. 2023. doi:10.1016/j.clinsp.2023.100220
- 5Ge S, Weiss RA, Schilling L, Noell CM. The Addition of Low-Dose Lidocaine and Triamcinolone Reduces the Adverse Effects of 2-Deoxycholate Injection Without Affecting the Long-Term Results. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.70072
- 6Shridharani SM, Chandawarkar AA. Novel Expanded Safe Zone for Reduction of Submental Fullness with ATX-101 Injection. Plastic and Reconstructive Surgery. 2019. doi:10.1097/PRS.0000000000006299
- 7Pham CT, Lee A, Sung CT, Choi F, Juhasz M, Mesinkovska NA. Adverse Events of Injectable Deoxycholic Acid. Dermatologic Surgery. 2020. doi:10.1097/DSS.0000000000002318
- 8Shridharani SM, Kennedy ML. Management of Serious Adverse Events Following Deoxycholic Acid Injection for Submental and Jowl Fat Reduction: A Systematic Review and Management Recommendations. Aesthetic Surgery Journal Open Forum. 2024. doi:10.1093/asjof/ojae061