どの糸を選ぶ?素材と形で変わるところ

糸選びは、素材と形の2つで考えると整理できます。よく使われるPDOは、縫合糸としてのデータでは吸収されるまでおよそ180〜210日かかります。

糸選びは、素材と形の2つで考えると整理できます。よく使われるPDOは、縫合糸としてのデータでは吸収されるまでおよそ180〜210日かかります[1]。形のほうは、こめかみで留めるU字型が強く上がる代わりに合併症が多めで、I字型はその逆だと報告されています[2]。

PDO、PLLA、PCLは何が違う?

分解の速さと、コラーゲンへの働きかけ方が違います。PDOは縫合糸としては、強度が14日で70%、28日で50%、42日で25%まで下がり、吸収されるのは180〜210日とされます[1]。ただしこれは傷を閉じる縫合糸のデータで、太さも入れる場所もコグの有無も違うリフト用の糸にそのまま当てはめられません[1]。PLLAは、緩やかな改善と長期のコラーゲンの作り替えを望む方に向くと位置づけられています[3]。

素材の差は、ヒトで確かめられている?

まだ動物実験が中心です。紫外線を4週間当てた老化モデルのラット30匹を6群に分けた比較では、PDO、PLLA、PCLのいずれも真皮のコラーゲン密度などを若い個体に近づけ、なかでもPCLが最も活性が高いという結果でした[4]。ヒアルロン酸をコーティングしたポリ乳酸カプロラクトンの糸をブタで180日追った実験でも、コーティングなしより多くの組織指標で上回りました[5]。どちらの著者も、ヒトでの確認はこれからだと書いています[4][5]。

つまり、素材ごとの優劣をヒトで直接比べた無作為化試験は、今のところ見当たりません。「この素材だから効く」という説明は、動物での知見をヒトへ延ばしたものだと理解しておくのが安全です[4]。

U字型とI字型で、何が変わる?

上がり方と、起きやすいトラブルが逆向きです。こめかみに固定するU字型は、目に見える組織の挙上が85〜90%で得られる一方、出血が15〜20%、皮膚のへこみが12〜18%、糸の出口での組織の傷みが5〜10%と報告されています[2]。I字型は組織の傷みと痛みが少なく合併症は5%未満ですが、上がり方は控えめです[2]。強く上げたいほど、へこみや出血の可能性も引き受けることになります[2]。

同じレビューは、結局のところ結果を決めるのは糸の種類より患者さんの選び方と個別の計画だと結論づけています[2]。両方の型の長所を合わせる方向が今後の課題としても挙げられています[2]。

実際の現場では、どう組まれている?

素材を混ぜる形が多数派です。2020年から2024年に100を超えるクリニックで行われた111,948件の集計では、7つの術式の組み合わせのうち、PDOとPCLの糸を合わせるものが最も多く行われていました[6]。セットの中身が素材の混成なのか単一なのかは、見積もりの段階で確かめられます[6]。

診察で確認して決めること

決め手になるのは、あなたが何を優先するかです。はっきり上げたいのか、へこみのリスクを抑えたいのか、なるべく長く支えたいのか。この優先順位を先に伝えると、素材と形の提案が具体的になります。

そのうえで、使う糸の素材名と形、本数、入れる場所を書き出してもらってください。皮膚の厚みやたるみの程度で向く組み合わせは変わるので、最終的な選択は診察で医師と一緒に決めることになります。

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