切らないクマ取り(まぶたの裏側から目の下の脂肪を取る手術)の腫れは、術後24〜48時間で出て、72時間を過ぎると引き始めます[1]。97人を追った研究では、腫れが8週間を超えて残った人はいませんでした[1]。内出血とむくみは1〜2週間で自然に消えたという報告が多い一方[2]、白目がぶよっとむくむ「結膜浮腫」は平均26日、長い人では180日まで続くことがあります[3]。
腫れと内出血は、いつ出て、いつ引く?
腫れは手術の翌日から翌々日に出て、3日を過ぎると引き始めます[1]。97人を平均8.2か月追った研究では、下まぶたの腫れは全員に出ましたが、8週間を超えて残った人はいませんでした[1]。
内出血とむくみは、ほぼ全員に軽度から中等度で出て、1〜2週間で治療なしに消えたと183人の研究は報告しています[2]。中高年の男性を対象にした報告でも、内出血と腫れがいちばん多い合併症で、長くても4週間で落ち着いています[4]。内出血が出る割合は研究によって幅があり、20%から96.3%までと系統的レビューはまとめています[3]。
白目がぶよっとむくむ「結膜浮腫」は、いつ治る?
多くは数週間で治りますが、長引くことがある合併症です[3]。白目の表面の膜(結膜)が水を含んでむくむ状態で、下まぶたの手術では代表的な合併症です[3]。頻度は報告によって0%から84.6%まで幅があり、下まぶた単独の手術では15.6%という大きな集計があります[3]。
系統的レビューでは、全例が180日以内に消え、平均26日、中央値14日で解消していました[3]。97人の研究では2.1%に軽い結膜浮腫が出て2週間以内に消え[1]、別の報告では1.3%に出て、3〜4週間でステロイドの点眼で治まっています[5]。
起きやすいのは、上下のまぶたを同時に手術した人、皮膚と筋肉を切る方法を受けた人、男性、術前からまぶたがゆるい人、ドライアイの症状がある人です[3]。靭帯を外す操作を加えると平均21日と、加えない場合の3日より長引いたという報告もあります[3]。以前に下まぶたの手術を受けた人に多かった、という観察もあります[5]。
しびれ、ドライアイ、くぼみ。腫れ以外に何が起こる?
頬のしびれが3.1%に出て、3週間以内に消えたという報告があります[1]。ドライアイの症状は95.5%が保存的な対応で治まり、2か月を超えて続く場合は眼科に紹介され、0.5%が再手術になったと系統的レビューはまとめています[3]。
脂肪を取ったあとに、くぼみや涙袋の下の溝(涙溝)が目立つようになることもあります[5]。ある報告では涙溝の悪化が4.3%、くぼみが3%、しわが1.6%に見られ、多くは3〜6か月で自然に戻り、長引く場合はヒアルロン酸で回復を早めています[5]。皮膚がゆるい人では、術後にしわが増えることがあります[4][6]。
受診したほうがいいサインは?
目安は、経過が「日ごとに軽くなる」流れから外れたときです。腫れは3日を過ぎると引き始めるのが通常の経過なので[1]、それ以降に強くなる、片側だけ急に腫れる、出血が続く、といった変化は次の予約を待たずに手術した医療機関へ連絡してください。
白目のむくみは平均26日で消える一方、2か月を超えて続くドライアイの症状は眼科への紹介の目安になっています[3]。数か月たっても残るくぼみや涙溝は、3〜6か月で戻ることが多いものの[5]、放置せず診察で相談する対象です。
系統的レビューでは、視力や眼球に関わる重大な合併症は報告されておらず、機能や見た目の問題の多くは保存的な対応か修正手術で解決しています[3]。再手術率の報告は、高いもので9%でした[3]。
診察で確認したいこと
自分の皮膚のゆるみ具合、ドライアイの有無、以前の手術歴は、腫れや結膜浮腫の長引きやすさに関わります[3][5]。切らない方法は皮膚のゆるみが少ない人向けで、脂肪の取り残しと表面のしわは直せないのが主な弱点だと教科書は整理しています[6]。まぶたの裏側から行う方法でも、まぶたの引きつれや外反(まぶたが外にめくれる)は合併症として挙げられています[7]。
仕事を休む日数は、腫れが引き始める3日、内出血が消える1〜2週間という報告[1][2]を目安に、自分の予定と照らして医師と相談してください。
- 1Li W, Gao Y, Qi Z, Li Z, Wu F. Refined trimming of orbital fat in transconjunctival lower blepharoplasty: A retrospective cohort study on clinical outcomes and aesthetic assessment. Medicine. 2025. doi:10.1097/MD.0000000000045314
- 2Liu C, Wu Z, Tang L, Zhang Z, Li J, Sun X. A Combination of Conventional Transconjunctival Lower Blepharoplasty and Percutaneous Nanofat Grafting in a Young Chinese Population With Eyelid Bags and Tear Trough Deformities. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.70009
- 3Gimenez AR, Rohrich R, Borab Z, Fisher S, Fagien S, Rohrich RJ. Safety and Complications in Lower Eyelid Blepharoplasty: A Systematic Review. Plastic and Reconstructive Surgery Global Open. 2025. doi:10.1097/GOX.0000000000007102
- 4Lin C, Zhang L, Dong B, Dai Z, Wu L, Zhao L. Observation on the Effect of Transconjunctival Lower Blepharoplasty Combined With Orbital Fat Release in Middle-Aged and Elderly Men. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.70054
- 5Kubo T. Eye-Opening Effect Achieved by Modified Transconjunctival Lower Blepharoplasty. Aesthetic Surgery Journal. 2025. doi:10.1093/asj/sjae205
- 6Handbook of Plastic Surgery. Chapter 108: Blepharoplasty and Periorbital Aesthetics.
- 7Kanski's Clinical Ophthalmology, 9th ed. Posterior lower lid blepharoplasty complications.