脂肪吸引リフトの糸はどう選ぶ?素材とコグ設計の違い

脂肪吸引リフトで使う糸は、素材とコグ(とげ)の形という二つの軸で性格が変わります。素材は吸収の速さと組織の反応を、コグは引き上げる力と組織を傷めるリスクを決めますが、素材どうしをヒトで厳密に比べた試験は限られています。

脂肪吸引リフトで使う糸は、素材とコグ(とげ)の形という二つの軸で性格が変わります。素材は吸収の速さと組織の反応を、コグは引き上げる力と組織を傷めるリスクを決めますが、素材どうしをヒトで厳密に比べた試験は限られています[1][2]。

糸の素材は何が違う?——吸収の速さと組織の反応

臨床でいちばん使われているのはPDO(ポリジオキサノン)です[2]。PDOには6〜8か月という予測しやすい吸収の経過、外科用縫合糸としての使用実績、コラーゲン産生を促す作用が整理されています[1]。PLLAやPCLはPDOより吸収が緩やかと説明されますが、真皮のコラーゲン密度を材料間で比べた研究は老化ラットのモデルであり[3]、ヒトでどの素材が長持ちするかを直接比べた試験は今回の資料では確認できませんでした。

コグの形で引き上げ方はどう変わる?

とげの有無と向きが、引き上げる力を左右します。とげのない滑らかな糸は主にコラーゲンの新生と肌質の変化に働き、引き上げる力は限られます[1]。とげ付きの糸は組織を引っかけて位置を移す設計で、三次元の双方向コグを用いた中顔面と鼻唇溝への前向き研究も報告されています[1]。

U字とI字、どちらが強い?

側頭部に固定するU字型は強い引き上げが得られる一方、皮膚のくぼみ(ディンプル)や糸の出口部での組織損傷が起きやすいと報告されています[4]。I字型は組織への侵襲を抑える設計で、得られる変化は穏やかです[4]。組み合わせによる固定の強さを生体力学的に測った検討もあり、双方向と多方向の併用、双方向どうしの併用が比較されています[5]。

吸収糸と非吸収糸はどう住み分ける?

11万件を超える多施設レビューでは、2000年以降は吸収糸が主流になった一方、非吸収糸は感染や露出、異物感のリスクを伴いながらも、強い支持が要る場合や高齢の患者では選択肢に残ると整理されています[6]。ここで決めるのは、支えの強さをどこまで求めるかと、問題が起きたときの抜去や修正の可能性をどこまで受け入れるかです。

脂肪吸引を組み合わせるなら何から決める?

糸の選択より先に決まるのは、脂肪の量をどこまで減らすかです。皮下の脂肪が薄くなると、糸を通す層と固定点の取り方が変わります[7]。吸引のあとで皮膚がしぼんで下がった状態に引き上げを足す使い方も示されており[4]、範囲と順番は分けて相談する価値があります。

診察で確認しておきたいこと

聞いておきたいのは、選ぶ糸の素材と形、使う本数、固定点をどこに取るか、そして効果が戻ってきたときに何ができるかです。素材ごとの持続を比べた強いデータがない以上、その糸を選んだ根拠を医師に確認しておくと判断の材料が増えます。皮膚の厚み、骨格の支え、たるみの量は診察で個別に評価します。

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