脂肪注入豊胸の回復、胸はいつ本当の形になる?

腫れが何日で引くかを決めた研究は見当たりません。はっきりしているのは、手術直後の大きさが腫れで水増しされていて、本当に残った量とは別物だということです。

腫れが何日で引くかを決めた研究は見当たりません。はっきりしているのは、手術直後の大きさが腫れで水増しされていて、本当に残った量とは別物だということです[1]。日数の暗記よりも、いつ何が起きたら受診するかを先に決めておくほうが役に立ちます。

「仕上がり」はいつ判断する?

早い時期の見た目では判断できません。脂肪移植の定着量を測る方法をまとめたレビューでは、術後早期のむくみによる見かけの増加と、長期的に残った量を分けて評価する必要が指摘されています[1]。

つまり、手術直後に思ったより大きいことも、数か月後に小さくなったと感じることも、どちらも想定の範囲です。気になる変化があるときは、写真を残しておくと診察で比べやすくなります。

早い時期に起きうるトラブルは?

感染と脂肪壊死(入れた脂肪の一部が生き残れずに固まる変化)です。インプラントを抜くと同時に脂肪を入れた症例群の報告では、脂肪壊死と肺の血栓が重なった例、軽い蜂窩織炎、遅れて出た血腫と感染が、それぞれ1.6%ずつ挙げられています[2]。これはインプラント抜去を伴う手術の数字で、脂肪注入だけの場合にそのまま当てはめることはできません[2]。

脂肪壊死そのものの頻度としては、乳房再建で5.31%という数字が別の報告から引用されています[3]。まれですが、脂肪が血管に入って起こる塞栓のような重い合併症も報告されています[4]。感染や血腫、気胸などが起こりうることも、まとめて整理されています[5]。

しこりや石灰化は、いつ出てくる?

遅れて出てきます。脂肪壊死は慢性の炎症を起こし、それが進んで石灰化に至る流れが示されています[6]。急性期の合併症ではなく、時間をかけて形になる変化だということです[6]。

顔の脂肪注入では、3年たってから蜂窩織炎をきっかけに脂肪壊死を発症した症例が報告されています[3]。年単位で経ってから出ることがある以上、「もう時間が経ったから関係ない」と自己判断しないほうが安全です。

しこりは乳がんと見分けられる?

見分けられます。脂肪注入による豊胸のレビューでは、こうした石灰化は画像で乳がんと区別できる特徴を示し、悪性の危険が高まることを示す報告はないと整理されています[7]。

ただし、これは検診を受けなくてよいという意味ではありません。手術を受けたことを検診の場で伝えられるよう、いつ、どこに、どのくらい入れたかを記録として持っておいてください。

注入の仕方でリスクは変わる?

変わる可能性があります。同じレビューでは、感染と画像上の合併症の頻度が、まとめて塊で入れる注入で最も高かったと報告されています[7]。細かく分けて入れる方法が広まっているのは、この差が理由の一つです。

受診の目安と、診察で確認したいこと

赤み、痛み、熱感が引かずに強くなるときは、早い時期でも遅い時期でも受診してください[2]。新しく硬いかたまりに触れたときも、時間が経っていても相談の対象です[6]。検診の前には、脂肪注入を受けたことを必ず伝えてください[7]。

胸の脂肪の量や皮膚の伸び方、採取する部位の状態は人によって違います。ここに挙げた割合は報告された数字で、自分にどれだけ残るかを言い当てるものではありません。診察では、1回で入れられる量と、追加を前提にするかどうかを医師と確認しておくと、経過の受け止め方が変わります。

もう少し詳しく聞いてみる