ヒアルロン酸の膣縮小で何が変わる?トレーニングや手術との違いと、根拠の限界

ヒアルロン酸の膣縮小は、膣の壁にヒアルロン酸を注入して内側にふくらみを作り、ゆるみ感をやわらげる切らない施術です。主な目的は性生活の満足度などの機能面で、入れたヒアルロン酸は9〜12か月ほどで吸収されると考えられています。

ヒアルロン酸の膣縮小は、膣の壁にヒアルロン酸を注入して内側にふくらみを作り、ゆるみ感をやわらげる切らない施術です[1]。主な目的は性生活の満足度などの機能面で、入れたヒアルロン酸は9〜12か月ほどで吸収されると考えられています[1]。研究はまだ少人数・短期間のものが中心です[1][2]。

膣のゆるみは、なぜ起こる?

膣のゆるみは、性交のときに「ゆるい」と感じる自覚の症状です[3]。いちばんの原因は経腟分娩(膣からのお産)で、骨盤の底の筋肉が伸びやすくなることと関係していると考えられています[3]。

どのくらいの人が感じているかは、調べる集団で大きく違います。女性の24〜38%という報告がある一方、初めてお産をした100人を産後6か月で調べた研究では8%でした[3][4]。

ヒアルロン酸を入れると、何が変わる?

膣の壁に、内側へ向けたふくらみを作ります。ある研究では、42人の膣の後ろ側の壁に、固めたヒアルロン酸を3〜5cc入れ、6か月後と12か月後に性生活の満足度や骨盤の底の筋肉の力を調べています[1]。

この方法の主な目的は、見た目ではなく、性生活や筋肉の働きといった機能面の改善です[1]。ヒアルロン酸は体の中で少しずつ吸収されるため、効果は永久ではありません[1]。

トレーニングや手術と、何が違う?

最初に勧められることが多いのは、骨盤底筋トレーニング(膣のまわりの筋肉を鍛える運動)です[3]。ただし、ゆるみへの効果を確かめたデータはまだ限られています[3]。切らずに、ゆるみの原因になっている筋肉そのものに働きかける方法です[5]。

手術(膣形成術)は、膣の後ろ側の余った粘膜を切り取り、筋肉を寄せ直して膣を狭めます[6]。ただ、手術は入口を狭めるもので、ゆるみの原因そのものを治すわけではない、という指摘もあります[5]。

手術では、傷あとや神経の傷、感覚の変化、性交時の痛みが起こることがあり、回復にも時間がかかるとされています[7]。泌尿器・婦人科の医師の83%が、手術のあとの性交時の痛みを心配していたという調査も紹介されています[5]。

ヒアルロン酸の注入は、この2つの間にある選択肢です。切らずに内側のふくらみを作れますが、吸収されれば元に戻り、筋肉を鍛えるわけでもありません[1]。

ゆるみではなく、乾燥や痛みが悩みのときは?

閉経のあとに出やすい膣の乾燥や痛み(萎縮)は、ゆるみとは別の悩みです。この萎縮に対しても、ヒアルロン酸を膣に注射する研究が行われています[2][8]。

たとえば、乳がんの治療歴などでホルモン治療を使いにくい人に向けて、ホルモンを使わない方法として調べられています[2][8]。11人に1mLを1回注射した小さな試験もありますが、まだ効果を確かめる段階の研究です[2]。

「ゆるい」のか「乾いて痛い」のかで、合う治療は変わります。両方が重なっていることもあるので、まず何に困っているかを医師に伝えましょう。

気をつけたい副作用は?

まれですが重い合併症として、ヒアルロン酸が血管に入り込んで詰まる「血管塞栓」が報告されています[9]。皮膚が傷んでただれたり、命に関わる状態になったりすることがあります[9]。

注入のあとに強い痛み、皮膚の色の変化、息苦しさなどが出たら、すぐに施術したクリニックへ連絡してください。受ける前に、こうしたときの対応の流れを聞いておくと安心です。

受ける前に、診察で何を確かめる?

ヒアルロン酸の膣縮小は、切らずに試したい人の選択肢の一つですが、根拠はまだ少人数・短期間の研究が中心です[1][2]。記事だけでは、自分の悩みがゆるみなのか、乾燥や尿もれなど別の原因なのかは判断できません。

診察では、ゆるみの程度、骨盤の底の筋肉の状態、乾燥や痛みの有無、トレーニングや手術を含めたほかの選択肢を確かめておきましょう。

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