糸の本数、多いほどいい?1500人で見えた逆転

本数は多いほどよい、とは限りません。日本のクリニックで1500人を調べた解析では、糸の本数が多い方ほど「効果が足りない」と感じて再受診しやすいという、直感と逆の結果が出ています。

本数は多いほどよい、とは限りません。日本のクリニックで1500人を調べた解析では、糸の本数が多い方ほど「効果が足りない」と感じて再受診しやすいという、直感と逆の結果が出ています[1]。セットを選ぶときは、上限の本数ではなく、自分の年齢とたるみの程度に合っているかを見てください[1]。

セットの本数は、何を根拠に決まっている?

残念ながら、決まった基準はありません。糸リフトと超音波の併用を調べた研究は、どの適応に何本が最適かを示すガイドラインが今の文献には不足している、とはっきり書いています[2]。つまりセットの本数は、研究で決まった数字ではなく、施設ごとの組み立てだということです[2]。だからこそ「なぜこの本数なのか」を説明してもらう価値があります。

10本を超えると、何が起きた?

満足しにくくなる方向に働いていました。PDOの糸によるリフト後の不満を調べた多施設の後ろ向き解析では、1500人のうち、年齢と糸の本数がそれぞれ独立して不満の予測因子になっていました[1]。ここでの不満とは、効果が足りないと感じて再受診したことを指します[1]。分かれ目として算出された目安が43歳と10本で、糸が1本増えるごとのオッズ比は1.09(95%信頼区間1.03〜1.16)でした[1]。

この数字は「10本を超えたら失敗する」という意味ではありません。本数を足すほど期待も上がり、その分だけ物足りなさも出やすくなる、という関係が読み取れる、という程度の強さです[1]。

本数を増やす試験は、行われている?

行われています。PDOの糸の本数が顔の引き上げにどう影響するかを、無作為に振り分けて比べた臨床試験が報告されています[3]。「多いほうが常によいのか」という問いを正面から扱った、数少ない試験です[3]。本数と効果が単純な比例関係ではないかもしれない、という見方を後押しする内容です[3]。

実際には、どんな組み合わせが使われている?

素材を混ぜる組み方が主流です。2020年から2024年に100を超えるクリニックで行われた111,948件の集計では、7つの術式の組み合わせが確認され、PDOとPCLの糸を組み合わせるものが最も多く行われていました[4]。同じ集計では、患者さんの年齢の中央値が年々上がってきていることも報告されています[4]。セットという言葉が指す中身は施設ごとに違うので、素材と本数の内訳を出してもらうのが確実です。

糸の種類そのものより、患者さんの選び方と計画の立て方で結果が決まる、というのがレビューの結論です[5]。本数の話も、その計画の一部として聞くのが自然です。

本数について、診察で確認すること

聞き方は3つに絞れます。何本を、どの素材で、どこに入れる計画か。その本数にした理由は、自分のたるみのどこを見て決めたのか。本数を減らした場合と増やした場合で、見込みはどう変わるのか。

43歳という数字も、あくまで統計上の分かれ目です。自分がその線のどちら側にいるのかは、たるみの程度と皮膚の状態を医師に診てもらって判断してください。

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