わし鼻修正(ハンプ切除)の腫れと内出血は、鼻の骨を切る工程(骨切り)を伴うかどうかで大きく変わります[1]。骨切りをすると目のまわりに内出血と腫れが出やすく、研究では術後2〜4日の内出血と7日目の腫れを指標に経過を追っています[1]。超音波で骨を切るピエゾという器具を使うと、最初の1週間の腫れ・内出血・痛みが従来の骨切りより少ないと、複数のメタ解析が報告しています[1][2]。
腫れと内出血は、なぜ出る?いつがピーク?
腫れと内出血の主な原因は、骨切りで周りの軟部組織が傷つくことです[1]。骨切りは鼻の骨の形を整えるための大事な工程ですが、従来はノミとハンマーで骨を切っていたため、腫れ、内出血、痛みのもとになってきました[1]。
研究の多くは、内出血を術後2〜4日、腫れを術後7日で評価しています[1]。つまり、内出血が目立つのは最初の数日、腫れは1週間前後が主な観察の時期です[1]。12件のランダム化試験をまとめた解析でも、2日目・4日目・7日目の内出血と、2日目・7日目の腫れが比べられています[2]。
超音波の骨切り(ピエゾ)だと、どのくらい違う?
最初の1週間に限れば、はっきり少ないという結果が揃っています。9件のランダム化試験を含む554人の解析で、ピエゾは従来法より腫れ、内出血、痛みが有意に少なく、粘膜の傷も少ない一方、手術時間には差がありませんでした[1]。
ピエゾ292人と従来法338人を比べた12試験の解析でも、ピエゾは2日目と7日目の腫れ、2・4・7日目の内出血、痛み止めの必要量を減らし、出血には差がありませんでした[2]。8件の試験・440人をまとめたレビューでは、腫れが少ないという結果が75%の論文で、内出血が少ないという結果が87.5%の論文で出ています[3]。
ただし著者たちは、証拠の質は低く支持は弱いこと、1週間より先の比較がないことを明記しています[1][2]。単独の試験では差がはっきりしないものもあります[4]。手術時間の長さや費用が不利な点として挙げられていることも、知っておきたいところです[3]。
涙があふれる、目がしょぼしょぼする。これも腫れのせい?
多くは一時的な腫れが原因と考えられています[5]。骨切りの線は涙の通り道のすぐそばを通るため、術後に涙があふれることがあります[5]。65人ずつを比べた後ろ向き研究では、1週目に涙があふれた人はピエゾで32.3%、従来法で46.1%、6か月では4.6%と15.1%でした[5]。
同じ研究で、涙の通り道の詰まりは1〜3か月で両群とも同じ程度に落ち着いていました[5]。著者はこの経過から、一時的な腫れが主な原因だろうと考察しています[5]。涙が何か月も続く場合は、腫れ以外の理由がないか診てもらう理由になります[5]。
腫れが引いたあとに気づく問題はある?
腫れが引いてから、形の問題が見えてくることがあります。削りすぎ・取りすぎの後遺症として、鼻根が深くなる、鞍鼻、逆V字変形、鼻先の上が盛り上がるポリービーク変形などが知られています[6]。総説は、いちばんの対策は取りすぎを避けることで、直す場合は軟骨などを足す移植が要ると述べています[6]。
受診したほうがいいサインは?
目安は、経過が「日ごとに軽くなる」方向から外れたときです。研究では内出血を術後2〜4日、腫れを7日目で評価しているので[1]、その時期を過ぎても腫れや痛みが強くなる、出血が続く、涙が何か月も止まらない、といった場合は次の予約を待たずに手術した医療機関に連絡してください[2][5]。
研究で追跡されている合併症は、粘膜の傷、出血、涙の通り道のトラブルです[1][2][5]。どれも早めに伝えたほうが対応しやすいものなので、気になる変化は小さくても記録しておくと診察で役立ちます。
診察で確認したいこと
確かめたいのは、自分の鼻に骨切りが要るのか、要るならどの器具で切るのかです[1]。骨切りの有無と器具で最初の1週間の腫れが変わるので[1][2]、ピエゾを使うのか、手術時間や費用に影響があるのかも聞いておくと判断しやすくなります[3]。
仕事や学校を休める日数は人それぞれです。内出血が目立つ術後2〜4日、腫れを見る7日目という研究の観察点[1]を目安に、自分の予定と照らして医師と相談してください。
- 1Khajuria A, Krzak AM, Reddy RK, Lai K, Wignakumar T, Rohrich RJ. Piezoelectric Osteotomy versus Conventional Osteotomy in Rhinoplasty: A Systematic Review and Meta-analysis. Plastic and Reconstructive Surgery Global Open. 2022. doi:10.1097/GOX.0000000000004673
- 2Safia A, Abd Elhadi U, Farhat R, Elgrinawi S, Safieh J, Bader R, Khater A, Merchavy S, Massoud S. Is Piezosurgery Associated with Improved Patient Outcomes Compared to Conventional Osteotomy in Rhinoplasty? A Systematic Review and Meta-Analysis of RCTs. Journal of Clinical Medicine. 2024. doi:10.3390/jcm13133635
- 3Kisel J, Khatib M, Cavale N. A Comparison Between Piezosurgery and Conventional Osteotomies in Rhinoplasty on Post-Operative Oedema and Ecchymosis: A Systematic Review. Aesthetic Plastic Surgery. 2022. doi:10.1007/s00266-022-03100-5
- 4Taşkın Ü, Batmaz T, Erdil M, Aydın S, Yücebaş K. The comparison of edema and ecchymosis after piezoelectric and conventional osteotomy in rhinoplasty. European Archives of Oto-Rhino-Laryngology. 2017. doi:10.1007/s00405-016-4306-9
- 5Dedeoğlu S, Kozan G, Ayral M, Kozan BD. The Effect of Piezoelectric (Piezo) Versus Classic Lateral Osteotomy on the Lacrimal Drainage System (LDS): A Retrospective, Single-Center, Controlled Study. Medicina. 2025. doi:10.3390/medicina61111979
- 6Moritz E, Asaria J. When Reductive Rhinoplasty Goes Wrong and How to Make it Right. Facial Plastic Surgery. 2025. doi:10.1055/a-2577-2805