ボツリヌス製剤、種類で効き目は変わる?比べるなら「量」と「持ち」

ボツリヌス製剤は、種類をそろえた量で比べると、しわを抑える力に大きな差は見られていません。ただし製剤ごとに「1単位」の強さが違うため、同じ数字の量でも中身は同じではありません。

ボツリヌス製剤は、種類をそろえた量で比べると、しわを抑える力に大きな差は見られていません[1]。ただし製剤ごとに「1単位」の強さが違うため、同じ数字の量でも中身は同じではありません[2]。選ぶときは名前より、その製剤で何単位を打つか、どのくらい持つかを確かめるのが近道です。

製剤によって、効き目はどれくらい違う?

眉間のしわで3種類を同じやり方で比べた研究では、どれも効果があり、1つだけが大きく勝ることはありませんでした[1]。エラ(かむ筋肉)への注射を東アジアや東南アジアの人で調べた研究でも、同じ量で比べると効き目は同じくらいだったとまとめられています[3]。

インコボツリヌストキシンAという製剤も、少なくとも12週間は、従来の製剤と同じくらい効いたと報告されています[4]。

違いが出やすいのは、どこ?

違いが出やすいのは、効き始めの早さと、1単位あたりの強さです。同じ研究では、注射から4日目と14日目に、製剤のあいだで筋肉の動きの抑え方に差が見られました[1]。

1単位の強さは製剤ごとに違い、換算の目安があります[2]。たとえばアボボツリヌストキシンAは、ほかの製剤の約2〜6倍の単位数で同じくらいとされています[2]。広がり方にも製剤ごとの特徴があると言われます[5]。

そのため、ある製剤で調べた結果を、そのまま別の製剤に当てはめることはできません[6]。「何単位打ったか」は、製剤名とセットで聞いておきましょう。

効果はどのくらい続く?

効果は注射から3〜10日ほどで出始め、3〜6か月ほど続くのが目安です[2]。インコボツリヌストキシンAでは、5か月以上続くことがあるとされています[7]。

持ちは製剤だけでなく、量でも変わります。決められた量より少なく打つと、効きが弱く、持ちも短くなりやすいと報告されています[8]。量を減らしても、副作用が減るという根拠は見つかっていません[8]。

くり返すと効かなくなることはある?

まれですが、くり返すうちに効きにくくなることはあります[9]。イギリスで治療を受けた919人のアンケートでは、効きにくくなったと答えた人が2.9%でした[9]。

これは本人の自己申告で、原因まで確かめた数字ではありません。体が製剤に対する抗体を作ることが原因の1つと考えられています。ただ、その起こりやすさは低く、主な3製剤のあいだではっきりした差は示されていません[10]。

自分に合う製剤は、どう選ぶ?

選ぶときは、次の3つを順に確かめると整理しやすくなります。1つ目は、どの部位にどの製剤を何単位打つか。2つ目は、効き始めと持ちの目安。3つ目は、前に打ったときの効き方です。

前回より効きが弱かった、持ちが短かったという経験は、製剤や量を考え直す手がかりになります。これまでに打った製剤名や時期が分かれば、メモして持っていきましょう。

記事だけでは、自分にどの製剤と量が合うかは決められません。診察では、打ちたい部位と筋肉の強さ、これまでの効き方を伝え、製剤と単位数の理由を確認してください。

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