ヒアルロン酸(ボリフトXCなど)を注入したあとの腫れや内出血は、多くが軽く、時間とともに自然に引いていきます[1][2]。一方で、まれですが血管がつまって起こる重い合併症があり、これは早い対応が必要です[2]。通常の経過と、急いで受診すべきサインを分けて知っておきましょう。
注入後の普通の経過は?
注入直後は、腫れ・内出血・表面の軽い凸凹が出ることがあります[1]。これらの多くは一時的で、自然に戻っていくと報告されています[1][2]。むくみや内出血は数日から数週で目立たなくなることが多いですが、出方には個人差があります。
腫れや内出血を長引かせないコツは?
清潔な操作など、施術のときの基本を守ることが合併症を減らすとされています[3]。受ける側としては、注入直後の強いマッサージや過度な運動を控える、指示されたケアを守る、といった点が回復を助けます。気になる腫れが長く続くときは、自己判断せず相談してください。
急いで受診すべき「危険なサイン」は?
注意したいのは、血管がつまったときのサインです。注入直後の強い痛み、皮膚が急に白くなる・紫がまだらに広がる、視界の異常(見えにくさや物が二重に見える)、強い頭痛などが挙げられます[4]。これらは、皮膚のダメージや、まれに失明につながることもあるため、すぐの受診・対応が必要です[2][5]。
失明のリスクはどれくらい?
血管トラブルによる視力の低下や失明は、とてもまれですが、いったん起こると重大な合併症です[2]。目の周りや眉間、鼻など、目に近い部位への注入で起こりやすいとされ、注意が必要です[4]。万一に備え、ヒアルロン酸を溶かす薬(ヒアルロニダーゼ)ですぐ対応できる体制が重要とされています[6]。
相談で確認したいこと
確認したいのは、通常の腫れがいつ引くか、危険なサインが出たときの連絡先と対応、そして血管トラブルにすぐ対処できる体制があるかです[2][6]。部位や体質でリスクは変わります。注入する部位のリスクと、緊急時の対応まで説明してくれるかを、医師選びの判断材料にしてください。
- 1Abduljabbar MH, Basendwh MA. Complications of hyaluronic acid fillers and their managements. Journal of Dermatology & Dermatologic Surgery. 2016. doi:10.1016/j.jdds.2016.01.001
- 2Kapoor KM, Kapoor P, Heydenrych I, Bertossi D. Vision Loss Associated with Hyaluronic Acid Fillers: A Systematic Review of Literature. Aesthetic Plastic Surgery. 2019. doi:10.1007/s00266-019-01562-8
- 3Goodman GJ, Liew S, Callan P, Hart S. Facial aesthetic injections in clinical practice: Pretreatment and posttreatment consensus recommendations to minimise adverse outcomes. Australasian Journal of Dermatology. 2020. doi:10.1111/ajd.13273
- 4Alharbi MM, Dlaim M, Alqahtani JM, ほか. Ophthalmic Complications of Periorbital and Facial Aesthetic Procedures: A Literature Review. Cureus. 2023. doi:10.7759/cureus.41246
- 5日本美容外科学会(JSAPS/JSAS). 美容医療診療指針. シワ治療におけるヒアルロン酸注入と血管合併症の項(推奨度2).
- 6Zhu GZ, Sun ZS, Liao WX, ほか. Efficacy of Retrobulbar Hyaluronidase Injection for Vision Loss Resulting from Hyaluronic Acid Filler Embolization. Aesthetic Surgery Journal. 2018. doi:10.1093/asj/sjw216
- 7Turcza JF, Bartosińska J, Raczkiewicz D. Critical Ischemia Following Hyaluronic Acid Filler Injection: A Case Report. Journal of Clinical Medicine. 2025. doi:10.3390/jcm14030802