切開フェイスリフトはどこで受ける?SMASの深さと神経の説明で見分ける

切開フェイスリフトを受ける場所は、SMAS(皮膚の下にある筋膜の層)をどの深さでどう動かすかを、理由つきで説明してくれるかで選ぶのが出発点です。SMASの扱い方には、折りたたんで縫う方法から、靭帯を外して深い層ごと持ち上げる方法まで段階があります。

切開フェイスリフトを受ける場所は、SMAS(皮膚の下にある筋膜の層)をどの深さでどう動かすかを、理由つきで説明してくれるかで選ぶのが出発点です。SMASの扱い方には、折りたたんで縫う方法から、靭帯を外して深い層ごと持ち上げる方法まで段階があります[1]。深くするほど持ちがよいと考えられる半面、顔面神経へのリスクも高いと見られています[1][2]。ただし術式どうしを質の高い研究で比べたデータは少なく、どれが一番かは決まっていません[1]。

SMASの処理には、どんな段階がある?

まず知っておきたいのは、切開フェイスリフトと一口に言っても、SMASの動かし方が6段階に分かれることです。183の研究をまとめたメタ分析は、侵襲の弱い順に、SMASを折りたたんで縫う方法(plication)、一部を切り取って縫う方法(SMASectomy/imbrication)、SMASを皮弁として持ち上げる方法、高い位置で持ち上げる方法、ディーププレーン、コンポジットの6つに整理しています[1]。深い層を大きく動かすほど結果が長持ちする、というのがこの順番の背景にある考え方です[1]。

名前が違っても中身が近いことがあります。教科書では、extended SMAS、high SMAS、composite といった呼び名は、いずれもSMASより深い層で剥離するディーププレーン系の別名だと整理されています[3]。皮膚を剥がしてSMASを重ねるか一部切除し、脂肪注入で減った量を戻す「lift-and-fill」という二層の方法もあります[3][4]。カウンセリングでは、術式名より「どの層をどこまで剥がし、何を外すか」を聞くほうが実態がつかめます。

深い術式ほど、本当に長持ちする?

理論上はそうですが、証明されたとは言えません。同じメタ分析の序論は、折りたたみ縫合の効果は短いとする研究がある一方で、深い処理をしても結果はあまり変わらないとする研究もあると紹介し、2011年の系統的レビューが「術式間の効果を比べる質の高いデータが不足している」と結論したことを引いています[1]。

2025年に登録された研究計画書も、術式ごとの合併症と満足度、持続期間を順位づけする分析はまだ存在しないと述べています[2]。だから「うちの方法が一番持つ」と言い切る説明より、どの層をどう動かすかと、その根拠に限界があることまで話してくれる医師のほうが信頼しやすいです。

顔面神経のリスクを、どう説明してくれる?

施設選びでいちばん聞いておきたいのは、顔面神経をどう避けるかです。靭帯を外して大きな組織を動かすディーププレーンやコンポジットは、より劇的で長持ちする中顔面の引き上げが期待される半面、顔面神経損傷のリスクが高いと考えられています[2]。SMASより深く入る手術は合併症が多いと見なされ、それを理由に深い剥離を避ける外科医もいます[1]。

顔面神経には側頭枝、頬骨枝、頬枝、下顎縁枝、頸枝の5本の枝があり、どれが傷んでも顔の左右差、目が閉じにくい、話しにくい、口が閉じにくいといった不自由につながります[5]。予防の柱は解剖と目印の確認、そして術前の綿密な計画だと総説は述べています[5]。教科書は、SMASの一部を切り取って縫う方法のほうが、折りたたむだけの方法より神経損傷の危険を減らせる可能性があるとも記しています[6]。

質問の仕方は簡単です。「神経の枝はどの深さを通っていて、先生の術式ではどう避けますか」と聞いてみてください。図を使って層の名前で答えられる医師なら、その施設のやり方を理解したうえで選べます。

ほうれい線と首、どこまで変わる?

変わる範囲は、靭帯を外すかどうかで違います。ディーププレーンは短い皮膚剥離と、SMASを深部につなぐ靭帯の完全な解離が特徴で、SMASリフトよりほうれい線の改善で優れると教科書に書かれています[6]。靭帯を外す術式は組織を大きく動かして中顔面と首を直しやすく、靭帯を温存するMACSやPRESTOといった方法は安全で侵襲が少ない代わりに、強いたるみでは矯正が限られると総説はまとめています[7]。

首については別の処理が要ります。首の輪郭を決めるのは広頸筋(首の前面にある薄い筋肉)の扱いで、外側のSMASリフトに正中で広頸筋を縫い合わせる処置を組み合わせる方法が解説されています[8]。顎の下のふくらみの原因になる顎下腺の下垂には、拡張SMAS法が役立つという報告もあります[9]。「首も一緒に直したい」なら、広頸筋と顎下腺をどう扱うかまで聞いておくと設計が具体的になります。

術後の出血や腫れは、どのくらい?

数字は限られています。永久フィラーの除去と同時にディーププレーンリフトを行った160人の後ろ向き研究では、合併症は22%で、一時的な腫れや内出血が15%、軽い感染が4%、血腫が3%でした[10]。平均の経過観察は16か月、入院は平均32時間です[10]。ただしフィラー除去と組織の再建を伴う特殊な例なので、通常のリフトにそのまま当てはめることはできません[10]。

施設に聞くべきは、自施設での血腫の頻度と対処、神経麻痺が一時的なものと残るものの割合です。メタ分析は、一時的な神経損傷を「術後の経過中に処置なしで動きが戻ったもの」と定義しています[1]。この定義を知っておくと、「麻痺はほぼ戻ります」という説明の意味を確かめられます。

カウンセリングで確認したい5つのこと

1つ目は、SMASを6段階のどこで処理するか、その理由です[1]。2つ目は、自分のたるみの強さに対して靭帯を外すのか温存するのかです[7]。3つ目は、顔面神経の枝をどう避けるかです[5]。4つ目は、ほうれい線と首をどこまで含めるかです[6][8]。5つ目は、血腫と神経麻痺の自施設での頻度と対応です[10]。

皮膚の厚さ、たるみの程度、脂肪の量、首の状態で設計は変わります。だから記事だけでは、自分に向く術式は決められません。診察では、たるみが皮膚だけなのか深い層まで及ぶのか、靭帯の緩み方、首の筋肉の状態を確認し、どの層をどこまで動かすかを一緒に整理してもらってください。

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