MINTリフトの糸、太さと本数で仕上がりは変わる?

糸は太さと返し(コグ)の向き、そして本数で性格が変わりますが、本数を増やすほど満足できるわけではありません。日本の1500人を調べた解析では、10本を超えて入れた人のほうが不満を訴える割合が高いという、直感と逆の結果が出ています。

糸は太さと返し(コグ)の向き、そして本数で性格が変わりますが、本数を増やすほど満足できるわけではありません[1]。日本の1500人を調べた解析では、10本を超えて入れた人のほうが不満を訴える割合が高いという、直感と逆の結果が出ています[2]。先に決めたいのは本数ではなく、どこに糸を掛けるかです[3]。

糸の種類は、何がどう違う?

違うのは太さと、返しの向きです。顔の引き上げに使うPDO(溶ける糸の材質)のコグ糸は、太さが1-0から3-0の範囲で使われます[3]。太い糸ほど強く引けますが、そのぶん皮膚の薄いところでは触れて分かりやすくなります。

返しの向きは、一方向・双方向・多方向の3つに分けて整理されています[4]。返しが組織に引っかかることで持ち上がる仕組みなので、向きが増えるほど組織をつかむ力は強くなります[4]。最近は3次元的に返しをつけた糸を、頬の中央やほうれい線に使った前向き研究も報告されています[5]。

本数を増やせば、よく上がる?

そうとは限りません。本数が効果を左右するかを調べた比較試験が行われていて、研究の題名自体が「多いほど良いのか」という問いになっています[1]。

日本の複数の施設で糸リフトを受けた1500人のうち、結果に不満を示したのは51人でした[2]。年齢と本数を解析すると、43歳と10本が境目として浮かび、10本を超えて入れた人のほうが不満の割合が高いという関係が出ています[2]。著者らは、本数が多い人はもともとたるみが強く、糸だけでは届かない段階だった可能性を挙げています[2]。

どこに掛けるかで、持ちはどのくらい変わる?

掛ける場所は、太さより結果を左右します。糸を置く層は皮下組織で、よく動く場所に置くと飛び出しやずれが起きやすく、表情の動きが糸の固定を妨げて効果が短く終わると指摘されています[3]。顔をこめかみの縦線で分けたとき、よく動く前側ではなく、動きの少ない外側に置くほうが向いているという整理です[3]。

効果はどのくらい続く?

目安は12〜18か月で、糸が吸収されていく時期と重なります[6]。同じレビューでは、患者の満足度が85%を超える報告が多いことも示されています[6]。

一方で、もっと早く戻るという報告もあります。吊り上げだけを行った場合、6か月から戻り始め、12か月の時点でフェイスラインの初期改善はほぼ失われ、頬の中央でも8割前後が失われたという記述が引用されています[4]。別の報告では、6か月以内に5割でたるみが戻り、8週という早い時期に戻った例が14%あったとされます[5]。日本の学会の指針でも、糸リフトは一時的な改善は期待できるが効果は大きくなく持続が短いとして、弱い推奨にとどまっています[7]。

糸の種類で、合併症は変わる?

種類による安全性の差を直接比べた報告は多くありません。押し出し型の返しを組み合わせた糸と通常のコグ糸を比べた研究では、有害事象は少なく、痛みや違和感といった軽いものは手術をせずに自然に治まったと報告されています[8]。

むしろ気をつけたいのは、糸がずれて動くことと感染です。糸の移動を防ぐ工夫を報告した論文があるほど、ずれは実務上の課題になっています[9]。返しのついた糸のリフト後に細菌感染を起こした症例報告もあり、頻度は低くても起こりうる出来事として説明を受けておくほうが安心です[10]。

診察で確認したい4つのこと

1つ目は、自分のたるみが糸で届く段階か、それとも切る手術を考える段階かです[2]。2つ目は、糸を掛ける場所が動きの少ない部分かどうかです[3]。3つ目は、何本入れる予定で、その理由は何かです[1]。4つ目は、効果が戻り始めたときにどうするかの見通しです[6]。

皮膚の厚みやたるみの強さ、顔の動き方は人によって違います。ここに挙げた数字は集団の平均で、自分の顔で何か月もつかを言い当てるものではありません。診察では、たるみの位置と皮膚の余り方を実際に診てもらい、糸で変えられる範囲がどこまでかを一緒に確認してください。

もう少し詳しく聞いてみる