目尻切開、横に広げるか下にも下げるか?術式の違いと限界

目尻切開(外眼角形成)には、目尻を横に広げる方法と、横に加えて下にも広げる方法があります。従来は横方向の目尻切開と縦方向に広げる手術を別々に行っていましたが、1回で両方を目指す術式も報告されています。

目尻切開(外眼角形成)には、目尻を横に広げる方法と、横に加えて下にも広げる方法があります[1]。従来は横方向の目尻切開と縦方向に広げる手術を別々に行っていましたが、1回で両方を目指す術式も報告されています[1]。どちらが合うかは、目の横幅を出したいのか、つり上がりをゆるめたいのか、目尻の角や涙袋の形を保ちたいのかで変わります[2][3]。

目尻切開で変わるのは、横幅と傾き

目尻切開は、目の横幅を横に延ばし、つり目の傾きをゆるめる手術です[2]。目尻の靭帯の一部を切り離して新しい位置に固定し、目尻の皮膚と筋肉を適量切り取る方法で、横幅が3〜6mm広がるという報告があります[4]。

二重の手術や目頭切開と同時に行われることが多く、単独でも行われます[2]。教科書は、現代のアジア人の目の手術は上下左右の4方向に広げる考え方で、縦方向は軽い眼瞼下垂の矯正、横方向は目頭切開と目尻切開で広げると整理しています[5]。

横だけ広げるか、下にも下げるか

従来の目尻切開は横に広げる手術で、目尻側を下にも広げたい場合は別の手術が必要でした[1]。2018年から2023年の症例を振り返った報告では、横と縦を1回で広げる術式が紹介され、瞳の中心から目尻までの距離、目頭と目尻の傾き、瞳の中心から下まぶたの縁までの距離を6か月後に測って評価しています[1]。

下にも広げる術式は、下まぶたの縁を下げる分、下まぶたの支えに関わる操作が増えます[1][6]。教科書では、目尻の靭帯を完全に外して付け直す手技は本来、下まぶたのゆるみを扱うものとして定義されています[6]。

後戻りと傷あとは、どのくらい?

6か月の追跡では、延ばした横幅は安定し、目尻の角が縮む後戻りや肥厚性瘢痕は出なかったと2017年の報告は述べています[2]。別の報告では感染・出血・傷あとのリスクは5%未満、満足度は85〜95%とされています[4]。ただし、長期の後戻り率を術式どうしで比べた研究は、今回の文献では見つかりませんでした。

広げすぎると、どうなる?

横に広げすぎて目尻の位置がずれると、まぶたが閉じにくくなったり、角膜が露出して傷んだりすることがあると眼科の教科書は書いています[7]。広がる量だけでなく、目尻の位置と下まぶたの支えが保たれるかが大切です[7]。

目尻を持ち上げる操作にも注意点があります。下まぶたの手術を扱った2026年の論文は、アジア人は丸い目を嫌がらず、逆につり上がりすぎた目や小さく見える目を嫌う傾向があり、目尻を上げると涙袋が消えることを嫌う患者さんが多いと述べています[3]。同じ論文は、下まぶたにゆるみがない限り、目尻の靭帯を扱う手術を毎回行う必要はないと結論しています[3]。

どれを選ぶ?3つの問い

判断は3つの問いで整理できます。欲しいのは横幅か、傾きの変化か、下方向の広がりか[2][1]。下まぶたにゆるみはあるか[6]。涙袋や目尻の角の形を保ちたいか[3]。

日本形成外科学会のガイドラインは、下まぶた側の手技として外側タルサルストリップ法や、靭帯を切らずに固定し直すカントペクシー法などを挙げています[8]。靭帯を切って付け直す方法と、切らずに固定する方法の区別がある、と覚えておくと説明が聞き取りやすくなります[6][8]。

診察で確認したいこと

確かめたいのは、自分の目の横幅、傾き、下まぶたのゆるみ、涙袋の状態です[2][3][6]。横に何ミリ、下に何ミリを目指すのか、目尻の角の形をどう保つのかを、写真で一緒に確認してください[1]。

目尻の靭帯を切って付け直すのか、切らずに固定するのかで、下まぶたの支えへの影響が変わります[6][8]。まぶたが閉じにくくならないか、白目の露出が増えないかは、診察で下まぶたの状態を診てもらったうえで医師と判断することになります[7]。

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