鼻翼基底部プロテーゼは、鼻の付け根のくぼみを埋めて、口元まわりの立体感を整える手術です[1]。材料には人工物と自分の組織があり、感染や露出のリスクと、後で取り出す難しさが選び方の軸になります[2][3]。クリニック選びは、この材料の説明を具体的にできるかで見るのが近道です。
鼻翼基底部プロテーゼはどんなときに使う?
鼻の付け根の骨が浅く、鼻の下や鼻の脇がくぼんで見える場合に使われます[1]。口の中の切開からインプラントを入れて、鼻の土台に固定する方法が知られています[1]。唇や口蓋の割れ(口唇口蓋裂)のあとの左右差を整える目的でも行われます[4]。
人工物と自分の組織、どちらを使う?
材料は大きく、シリコンなどの人工物と、自分の骨や軟骨などの組織に分かれます。人工物は費用や操作、手術時間の面で使いやすい一方、感染や露出のリスクが指摘されます[2]。自分の組織は安全性が高いとされますが、吸収や採取部位の負担があります[2]。
「後で取り出せるか」も判断材料
見落としがちなのが、うまくいかなかったときに取り出せるかです。ある比較では、一部の人工物は後から取り出したり修正したりするのが極めて難しくなると指摘されています[3]。支えが必要な部位では、材料の相性も重要で、支えに向かない人工物もあります[5]。
感染や露出のリスクはどう抑える?
人工物では、感染や露出が主な心配ごとです[2][6]。標準化された材料の使用と、術者が経験を積むことでリスクを下げられるという報告もあります[5]。口の中からの手術は感染に配慮が要るため、どう予防するかを聞いておきたいところです。
相談で確認したいこと
確認したいのは、なぜその材料を選ぶのか、感染や露出をどう防ぐか、そしてうまくいかないときに取り出し・修正ができるかです[2][3][5]。自分の骨のくぼみ具合や皮膚の状態で、向く材料は変わります。医師に鼻の付け根の状態を診てもらい、材料の理由と万一のときの方針まで説明を受けることが、選ぶときの軸になります。
- 1Kwan E, Truong A, Park J. Thirty-Year Experience in Augmentation Rhinoplasty Using Silicone Implants. Aesthetic Surgery Journal. 2025. doi:10.1093/asj/sjaf102
- 2Liang X, Wang K, Malay S, Chung KC, Ma J. A Systematic Review and Meta-Analysis of Comparison Between Autologous Costal Cartilage and Alloplastic Materials in Rhinoplasty. Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery. 2018. doi:10.1016/j.bjps.2018.03.017
- 3Liang X, Wang K, Malay S, Chung KC, Ma J. A Systematic Review and Meta-Analysis of Comparison Between Autologous Costal Cartilage and Alloplastic Materials in Rhinoplasty. Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery. 2018. doi:10.1016/j.bjps.2018.03.017
- 4日本形成外科学会(編). 形成外科診療ガイドライン2(2021年版). 顎裂部骨移植術と鼻翼基部の項(CQ22).
- 5Peled ZM, Warren AG, Johnston P, Yaremchuk MJ. The Use of Alloplastic Materials in Rhinoplasty Surgery: A Meta-Analysis. Plastic and Reconstructive Surgery. 2008. doi:10.1097/01.prs.0000299386.73127.a7
- 6Keyhan SO, Ramezanzade S, Yazdi RG, ほか. Prevalence of complications associated with polymer-based alloplastic materials in nasal dorsal augmentation: a systematic review and meta-analysis. Maxillofacial Plastic and Reconstructive Surgery. 2022. doi:10.1186/s40902-022-00344-8