PRP皮膚再生療法で、肌はどこまで変わる?自分の血液を使う治療の実力と限界

PRP皮膚再生療法は、自分の血液から血小板を濃くした成分(多血小板血漿)を取り出して肌に注射し、小じわやハリの改善をねらう治療です。日本美容外科学会の指針では、顔のしわ・たるみにPRPだけで行う治療は有効だという報告が多いとして、弱く推奨されています。

PRP皮膚再生療法は、自分の血液から血小板を濃くした成分(多血小板血漿)を取り出して肌に注射し、小じわやハリの改善をねらう治療です[1][2]。日本美容外科学会の指針では、顔のしわ・たるみにPRPだけで行う治療は有効だという報告が多いとして、弱く推奨されています[3]。ただ、研究の多くは小規模で、やり方や量もそろっておらず、効果の大きさはまだはっきりしていません[1][2]。

PRPは、肌の中で何をする?

血小板には、傷を治すときに働く成長因子がたくさん含まれています[4]。PRPを肌に入れると、コラーゲンを作る細胞(線維芽細胞)が働き、肌の土台が作り直されると考えられています[4][2]。

材料は自分の血液で、採血した血液を処理して作ります[4]。しわが減るだけでなく、肌のつやや潤いが増したという報告もあります[2]。

どんな悩みに使われる?

主に小じわ、肌のきめ、ハリの低下、ニキビ跡のへこみに使われています[1]。目の下のくまや目尻のしわを対象にした研究もあります[5]。

PRPだけを使った11の臨床研究をまとめた報告では、4つの研究でしわや肌のきめの改善が見られました[2]。

効果の限界は、どこにある?

いちばんの限界は、効果の大きさをまだはっきり言えないことです。36の研究・3172人をまとめた報告では、多くの研究で改善が報告された一方、観察しただけの研究が中心で、評価のしかたもそろっていませんでした[1]。

この報告は、臨床での裏付けはまだかなり限られていると結論づけています[1]。血小板の濃さや作り方、受ける人の体質で効き方が変わることも、結果がばらつく理由です[6]。

PRPが「何にでも効く」かのように宣伝されることへの注意も、専門誌で呼びかけられています[7]。

針やレーザーと組み合わせると、違いはある?

ニキビ跡では、PRPは主役というより、針やレーザーで肌に小さな傷を作る治療の補助として使われることが多い治療です[8]。細い針で肌に穴を開けるマイクロニードルにPRPを足すと、針だけより赤みや腫れが少なかったという研究があります[1]。

一方、炭酸ガスのフラクショナルレーザーと組み合わせても上乗せの効果ははっきりせず、副作用やダウンタイム(腫れや赤みが引くまでの期間)が増えたという報告もあります[9]。韓国の女性22人の研究では、レーザーにPRPを足すと肌の弾力や満足度は上がりましたが、見た目の評価の差ははっきりしませんでした[4]。

副作用や、気をつけたいリスクは?

多いのは注射による内出血やむくみで、まれに小さなぶつぶつや皮むけが出る程度と報告されています[2]。注射では、血管の中に入らないよう注意が必要です[3]。

針の治療とPRPを組み合わせたあとに、ヘルペスウイルスによる広い湿疹が出た例も報告されています[10]。また、成長因子(bFGF)を加えたPRPは、しこりや盛り上がりの合併症が多いため、安易にはすすめられないとされています[3]。

何回くらい受けるのが目安?

回数の決まった基準は、まだありません[2]。傷あとを対象にした107人の研究では、針の治療と組み合わせて4週間ごとに3回行い、副作用は軽く一時的でした[11]。

同じ研究では、12人(11.2%)が初回の治療で押されるような痛みを感じていました[11]。効果をいつ評価するかも、始める前に決めておくと判断しやすくなります。

受ける前に、診察で何を確かめる?

PRPは自分の血液で肌の再生をうながす治療ですが、効果の大きさには限界があります。どの悩みに使うのか、PRPだけで行うのか組み合わせるのか、何回で効果を見るのかを、医師と診察で確認しましょう。

成長因子を加えるかどうかや、ヘルペスが出やすい体質かどうかも、事前に伝えて相談しておくと安心です。

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