自毛植毛では、腫れ、痛み、かゆみ、毛嚢炎(毛の根元にできるブツブツした炎症)、感染、出血、傷跡、毛の向きの不自然さなどが起こることがあります[1]。リスクは、毛を採る場所(採取部)と植える場所(移植部)で違います。手術前に分けて確認しておきましょう[2]。
採取部には、どんなリスクがある?
採取部では、痛み、しびれ、傷跡、毛の密度(あたりの本数)の低下が問題になります。傷跡の形は、FUE(毛を1本ずつくり抜いて採る方法)は点状、FUT(皮膚を帯状に切り取る方法)は線状という違いがあります[3]。FUEでも広い範囲から採りすぎると、後頭部がまだらに薄く見えることがあります。採る場所に毛の密度を残す計画が必要です[2]。
植えた場所(移植部)には、何が起こる?
移植部では、赤み、腫れ、かゆみ、毛嚢炎、感染、出血、痛みを確認します[1]。感染はめったにありませんが、起こることはあります。膿(うみ)が出る、痛みが強くなる、熱が出るときは、早めに手術を受けたクリニックへ連絡しましょう[4]。
見た目のリスクは、傷跡だけ?
いいえ、傷跡だけではありません。植える毛の束(株)を置く角度や方向が、まわりの毛の流れと合わないと、毛が不自然に立つことがあります[1]。生え際が直線すぎる、毛の密度が部分的に偏る、採取部が透けて見える。こうした見た目の問題も、手術前のデザインと採り方の計画に関わるリスクです。
リスクを減らすために見るポイント
確認するのは、採る場所の毛の密度(ドナー密度)の測定、採る範囲、植える方向、毛包(毛を作る根元の組織)の保存と扱い方、術後のケアです。この一連をまとめて確認します。FUEで植えた毛が根づく割合(生着率)を高める手術前後の手順については、専門家の共通の見解(コンセンサス)があります。ただし、結果を保証するものではありません[5]。
診察で具体的に聞いておきたいこと
自分に予定されている採り方でどんな傷跡が残るか、どの範囲から採るか、異常があったときの連絡方法、追加の治療が必要になった場合の扱いを確認しましょう。頭皮の病気、傷跡が目立ちやすい体質、飲んでいる薬、過去の植毛歴は医師に伝えて、自分にどんなリスクがあるか判断してもらいましょう。
- 1Wu W, Liu C, Zhang P, et al. Enhancing Mid-Upper Facial Contours: Hairline Transplant Solutions for East Asian Women With High and Wide Foreheads. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.70374
- 2Romera de Blas C, Vega Díez D, Ricart Vaya JM, Gómez Zubiaur A. Complications in follicular unit excision hair transplantation: current evidence and practical approaches. Frontiers in Medicine. 2026. doi:10.3389/fmed.2026.1750989
- 3Mysore V, Parthasaradhi A, Kharkar RD, et al. Expert consensus on the management of Androgenetic Alopecia in India. International Journal of Trichology. 2019. doi:10.4103/ijt.ijt_24_19
- 4Pholsen S. Recipient Site Infection Following Dull Needle Implantation: A Case Report and Lessons Learned. 2025. doi:10.33589/35.6.200
- 5Zhang J, Zhang J, Wu W, et al. Enhancing Graft Survival Rates in Follicular Unit Excision: A Chinese Expert Consensus on Perioperative Procedures. Plastic and Reconstructive Surgery. 2025. doi:10.1097/PRS.0000000000012228