鼻の土台の幅が顔全体のバランスに対して広いときが、基本の適応です。ただし顔の幅が広い方では、小鼻を縮めるとかえって横顔が広く見えることがあり、決まった計測値ではなく顔全体との調和を基準にすべきだと書かれています[1]。鼻づまりや鼻翼縁の引き上がりがある場合は、先に確かめることがあります[2][3]。
小鼻縮小が向くのは、どんな鼻?
鼻の土台の幅が、顔のプロポーションに対して広いときです。小鼻縮小は鼻翼と頬の境目で鼻の土台の幅を狭める手技で、鼻尖の手技と組み合わせて全体の釣り合いを取るのが原則です[4]。鼻の土台の変形そのものは、専門誌の総説としてもまとめられています[5]。
外鼻の評価は正面・側面・底面の3方向で行い、顔全体の釣り合い、皮膚の性状、左右差、鼻の偏位、鼻翼縁、鼻翼基部、鼻翼の張り出しといった項目を見ていきます[6]。小鼻だけを単独で測って決める判断ではありません。
顔幅が広いと、かえって広く見えるって本当?
そう指摘されています。顔の幅が広い方では、小鼻縮小によって横顔がより広く見えることがあると書かれています[1]。
ですから判断の基準は、小鼻の幅の数値そのものではなく、顔全体との調和です[1]。「何ミリ狭める」という話から入る説明より、顔の中で鼻がどう見えているかを一緒に確かめる説明のほうが、この指摘には沿っています。
鼻孔が短い場合は、小鼻を縮めるだけでいい?
足りないことがあります。鼻孔が短く鼻翼基部が広い組み合わせでは、小鼻縮小と鼻孔を長くする手技を併せて行うことで整容的に良好な結果が得られる、と整理されています[7]。
同じ「小鼻が大きい」という悩みでも、幅の問題なのか、鼻孔の長さとの釣り合いの問題なのかで、必要な手術は変わります。ここは鏡で見るだけでは切り分けにくいところです。
慎重になったほうがいいのは、どんなとき?
鼻翼縁がすでに引き上がっている場合です。小鼻まわりの切除が過度になると鼻翼縁の引きつれを招きうることが、その予防と修正のための移植手技の報告から示されています[2]。
手術に対する心理的な準備も、顔と調和した見た目、鼻の気道機能と並べて評価する要素に挙げられています[8]。鼻の形を希望して受診した方では身体醜形障害に相当する症状の割合が高いという報告があり[9]、気になり方が強いと感じるときは、そこも含めて相談する場面になります。
鼻づまりがある人は、先に何を診る?
鼻の通り道の状態です。鼻形成術のあとに手術が必要になる鼻閉には、内側・外側の鼻弁の虚脱や狭窄、内側鼻弁の瘢痕化などが挙げられています[3]。鼻の土台を狭める手術は、この部分の広さに関わります。
通り具合を客観的に測る方法も検討されていて、最大鼻吸気流量と流量計を用いて鼻弁の開き具合を評価した研究があります[10]。気になる鼻づまりがあるなら、見た目の相談より先に伝えておくほうが順番として自然です。
診察で確認しておきたい4つのこと
1つ目は、悩みの中身が小鼻の幅なのか、鼻孔の長さとの釣り合いなのかです[7]。2つ目は、顔全体の中で小鼻を狭めたときにどう見えるかです[1]。3つ目は、鼻翼縁の位置と鼻の通りです[2][3]。4つ目は、切開をどこに置き、何を一緒に行う予定かです[4]。
切開の方法については、開放法と閉鎖法で機能面と見た目の結果を比べた研究もあります[11]。顔の骨格や皮膚の性状、左右差は人によって違いますので、ご自身の鼻でどこまで変えられるかは、実際に診てもらったうえで判断してください。
- 1Atlas of Asian Rhinoplasty (Suh, 2018). Alar Base Reduction(顔幅の広い患者では小鼻縮小によって横顔がより広く見えることがあり、決まった計測値ではなく顔全体のプロポーションとの調和を手術の基準にすべき)
- 2Pozzi M, Susini P, Murante A, Bolletta A, Cuomo R, Weck Roxo C. Alar Base Lining Graft: A New Technique to Prevent and Correct Alar Retraction in Primary and Secondary Rhinoplasty. Plastic & Reconstructive Surgery. 2024. doi:10.1097/PRS.0000000000011353
- 3Atlas of Asian Rhinoplasty (Suh, 2018). Nasal Obstruction(手術を要する術後鼻閉の原因には、鼻中隔延長後の中隔偏位、鼻骨の過度な狭小化、下鼻甲介の内方化、内側・外側鼻弁の虚脱や狭窄、内側鼻弁の瘢痕化がある)
- 4Structure Rhinoplasty, Vol.2. pages 0351-0375(小鼻縮小は鼻翼と頬の境目で鼻の土台の幅を狭める手技であり、鼻尖の他の手技と組み合わせて鼻全体の釣り合いを取る)
- 5Çerkeş N. Alar Base Reduction. Clinics in Plastic Surgery. 2022. doi:10.1016/j.cps.2021.08.007
- 6Neligan Plastic Surgery, Core Procedures. 4 Rhinoplasty(外鼻の評価は正面・側面・底面の3方向で行い、顔面のプロポーション、皮膚の性状、左右差、鼻の偏位、鼻尖、鼻翼縁、鼻翼基部、鼻翼の張り出しなどを項目として評価する)
- 7Atlas of Asian Rhinoplasty (Suh, 2018). Correction of Unpleasing Nostril Shape(鼻孔が短く鼻翼基部が広い場合は、小鼻縮小と鼻孔を長くする手技を併せて行うことで整容的に良好な結果が得られる)
- 8Grabb & Smith's Plastic Surgery. Chapter 55. Aesthetic Rhinoplasty(鼻形成術では、顔と調和した見た目、手術に対する心理的な準備、鼻の気道機能という3つの要素を並行して評価する)
- 9Picavet VA, Prokopakis EP, Gabriëls L, Jorissen M, Hellings PW. High Prevalence of Body Dysmorphic Disorder Symptoms in Patients Seeking Rhinoplasty. Plastic and Reconstructive Surgery. 2011. doi:10.1097/PRS.0b013e31821b631f
- 10Knížek Z, Blanař V, Zíková P, Reva D, Vodička J. Novel approach for assessing nasal valve obstruction: a study of nasal valve patency using peak nasal inspiratory flow and flowmetry. Acta Otorhinolaryngologica Italica. 2025. doi:10.14639/0392-100X-A740
- 11Yadav R, Masrat H, Wani F, Khan NA. Comparative Evaluation of Open Versus Closed Rhinoplasty Techniques: A Prospective Clinical Study of Functional and Aesthetic Outcomes. Cureus. 2025. doi:10.7759/cureus.87253