シリコンバッグ豊胸は、シリコン製のインプラント(バッグ)を胸に挿入して、大きさと形をつくる豊胸術です。自分の脂肪を使う方法と違い、狙ったサイズをはっきり出しやすいのが特徴で、世界で広く行われている豊胸法のひとつです[1]。ゼティスビューティークリニックでは、こうした施術に対応しています。
どこに・何を入れる?——インプラントの素材と留置層
中身は現在、粘度の高いコヒーシブシリコンジェルが主流です。万一外側の殻が破れても中身が流れ出しにくいよう設計と素材評価が進み、生体適合性の試験も体系化されています[2]。挿入する層には、乳腺の下・筋膜の下・大胸筋の下などがあり、胸の組織量や体型に合わせて選びます。組織が薄い人ほど輪郭やさざ波(リップリング)が出やすく、インプラントの種類と留置層の組み合わせで対応します[1]。
どんな人に向く?——サイズと確実性を重視する場合
一度でしっかりボリュームを足したい人、脂肪が少なく脂肪注入では増やしにくい人、左右差を整えたい人に向きます[1]。一方で、妊娠・授乳や加齢による組織の変化は将来起こりうるため、長期的には入れ替えや再手術の可能性も見込んで計画するのが現実的です。
知っておくべき合併症——被膜拘縮・破損・BIA-ALCL
代表的なのは被膜拘縮(インプラントを包む膜が硬く縮む)、インプラントの破損、位置のずれ、リップリングで、いずれも再手術の理由になりえます[3]。破損や被膜拘縮が起こりうることは、手術前に十分共有すべき事項とされています[1]。まれな合併症として、主に表面がざらついた(テクスチャード)タイプに関連づけられるBIA-ALCL(乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫)が知られ、挿入から平均9年ほどで胸のはれ・しこり・変形などとして気づかれると報告されています[4]。近年の専門家合意では、これを「まれ」というより「頻度は低いが起こりうる」合併症として位置づけています[5]。
入れて終わり、ではない——経過観察という前提
インプラントは一度入れたらそのままずっと使い続けられるものではなく、定期的な自己確認と受診で状態を見ていく前提の治療です。市販後の調査でも、長期の安全性が継続的に評価されています[6]。異常を早く見つけるほど、対応の選択肢は広がります。最終的な適応とインプラントの選択は、胸の状態を診たうえでゼティスビューティークリニックの医師が判断します。
- 1Meretsky CR, Knecht E, Schiuma AT. Advantages and Disadvantages of Breast Augmentation: Surgical Techniques, Outcomes and Future Directions. Cureus. 2024. doi:10.7759/cureus.69846
- 2Dzobo K, Khumalo NP, Zamora Mora V, et al. Advances in Silicone Implants Characterization: Chemical, Physical and Biological Methods for Biocompatibility Assessment. Bioengineering. 2025. doi:10.3390/bioengineering12121307
- 3Grabb and Smith's Plastic Surgery, Ch.66(インプラントの長期合併症:被膜拘縮・位置ずれ・リップリング・破損・再手術).
- 4日本血液学会ほか(BIA-ALCL:テクスチャードインプラントに関連、挿入から平均約9年で胸のはれ・しこり・変形として発症).
- 5Clemens MW, Myckatyn TM, Di Napoli A, et al. American Association of Plastic Surgeons Consensus on Breast Implant–Associated Anaplastic Large-Cell Lymphoma. Plast Reconstr Surg. 2024. doi:10.1097/PRS.0000000000011370
- 6Boechat CEJ, da Silva FN, dos Reis AP, et al. Postmarket Study of Silicone Gel Polyurethane Foam–covered Breast Implants: Interim Results (2018–2024). Plast Reconstr Surg Glob Open. 2025. doi:10.1097/GOX.0000000000006986