VASER脂肪吸引の腫れと内出血、普通の経過と受診のサインの見分け方

VASER脂肪吸引後の腫れや内出血の多くは、時間とともに自然に引いていく正常な経過です。ただしBMIが高いグループでは、内出血や血腫の起こる割合が明らかに高くなると報告されています。

VASER脂肪吸引後の腫れや内出血の多くは、時間とともに自然に引いていく正常な経過です。ただしBMIが高いグループでは、内出血や血腫の起こる割合が明らかに高くなると報告されています。普通の経過と、すぐに連絡したほうがよい変化を分けて説明します。

腫れが起こる仕組み

脂肪吸引後の腫れは、カニューレ(吸引に使う細い管)が組織を傷つけてリンパの流れが妨げられ、体液がたまることで起こると説明されています[1]。この腫れは吸引でできた隙間を一時的に埋める働きもあり、術直後の体組成の評価や痩身効果の見え方をわかりにくくすることがあると報告されています[1]。

BMIによって腫れ・内出血の出やすさが変わる

単施設117例の検討では、BMIが25以上のグループのほうが25未満のグループより、血腫(0.8%→3.4%)や内出血(0.0%→6.8%)、皮膚のひきつれ(0.8%→7.7%)の頻度が高かったと報告されています[2]。術後貧血や限局的なやけども、BMIが高いグループでやや多い傾向が示されています[2]。

頻度の高い合併症と、稀だが重い合併症は別に考える

脂肪吸引全体で見ると、もっとも頻度が高い合併症は輪郭の不整や脂肪の取り残しで、腫れや内出血とは別のカテゴリの問題です[3]。一方、もっとも重篤な合併症は静脈血栓塞栓症(血の塊が血管を塞ぐ状態)や、カニューレが腹壁を貫いて起こる腹腔内の臓器損傷で、頻度は高くありませんが命に関わる可能性があります[4]。

感染はまれだが、注意すべきサイン

脂肪吸引後の感染は、単独の手技であれば1%未満ですが、他の施術と組み合わせるとリスクが上がると報告されています[5]。実際に、VASER脂肪吸引と脂肪注入を組み合わせたあとに壊死性軟部組織感染症(感染が急速に組織を壊す重い状態)を起こした症例も報告されています[5]。発熱や急に広がる腫れ、強い痛みは、通常の腫れとは区別して連絡すべきサインです。

現時点の資料からは言えないこと

VASER脂肪吸引に特化した「腫れがいつピークになり、いつ引くか」という標準的な日数の目安を示した資料は、今回参照した範囲には見当たりませんでした。個人差が大きいことを踏まえ、具体的な経過の見通しは自分の状態に沿って診察で確認する必要があります。

再吸引・追加の吸引を検討する場合の注意

教科書的には、繰り返しの脂肪吸引はカニューレによる皮膚や周囲組織の損傷、血管の損傷、大量出血、内臓穿孔のリスクを伴うとされています[6]。1回で終わらせず追加を検討している場合は、このリスクも踏まえて相談してください。

診察で確認しておきたいこと

1つ目は、自分のBMIが血腫・内出血のリスクをどう変えるかです[2]。2つ目は、他の施術(脂肪注入など)を組み合わせる予定があるかどうかです[5]。3つ目は、発熱や急な腫れの拡大があったときの連絡方法です[5][4]。

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