水光注射や手打ちのスキンブースターは、ヒアルロン酸などを肌の浅い層に少しずつ注入し、うるおいやきめ、小じわを整える治療です[1]。輪郭を作ったり、深いしわやほうれい線を埋めたりする治療ではありません[1]。効果はゆるやかなので、数回くり返し、その後も間をあけて続ける前提で考えると合います[2]。
水光注射で、何が変わる?
変わりやすいのは、肌のうるおい、きめ、ハリといった肌の質です。スキンブースターは、肌の表面のきめや色むらを整え、全体の肌の質を自然に少しずつ高めるものです[1]。
ヒアルロン酸を肌に注入した13の研究をまとめたレビューでは、うるおい、ハリ、明るさ、きめ、弾力がよくなったと紹介されています[3]。ただし研究ごとに使った製品や回数が違うので、どの製品でも同じ効果が出るとは限りません。
小じわには、どのくらい効く?
小じわが少し浅くなったという研究があります。平均54.1歳の20人に2週間おきに3回注入した研究では、しわの点数が8週後に40%下がりました[4]。
12週後も、約33%の改善が保たれていました[4]。ただ、この研究は比べる相手のいない小さな研究で、決まった製品を使ったものです[4]。
別の20人の研究では、3週間おきに3回注入し、うるおいは1週後と4か月後に増えていました[5]。ただし、統計的にははっきりした差とはいえない結果でした[5]。「必ずうるおう」より、「よくなる人が多いが差には個人差がある」と考えるのが正確です。
向かない悩みは、どんなもの?
向かないのは、輪郭のたるみ、深いしわ、ほうれい線などのくぼみです。スキンブースターは、輪郭を作ったり深いしわや溝を戻したりするためのものではありません[1]。
くぼみを埋める目的なら、深い層に入れるヒアルロン酸のフィラーが使われます[6]。フィラーの効果は製品によって12〜24か月続くことがあり、ねらいも持ちも水光注射とは違います[7]。
何回受ければいい?効果はどのくらい続く?
目安は、最初に2〜3回、そのあとは4〜6か月に1回の維持です。アジア人の顔の注入治療についての専門家の提言では、まず4週間おきに2〜3回行い、効果を保つには4〜6か月ごとに1回が勧められています[2]。
首や手などに使う場合の報告でも、1か月おきに3回が多いと書かれています[6]。1回で大きく変わる治療ではないので、回数と通う期間を先に考えておくと、期待とのずれが小さくなります。
副作用やダウンタイムは?
多くは軽いもので、赤み、内出血、むくみが出ることがあります[6]。ふつうは仕事や家事を休まずに過ごせることが多いと報告されています[6]。
ヒアルロン酸を注入する治療では、まれに血管の中に入って皮膚が傷んだり、目が見えにくくなったりする重い合併症も報告されています[8]。注入する場所や深さをどう決めているか、何かあったときにどう対応するかを、受ける前に確かめておきましょう。
自分に合うかは、診察で何を確かめる?
確かめたいのは、悩みが肌のうるおいやきめなのか、たるみやくぼみなのかです。これで、水光注射が合うのか、フィラーや別の治療のほうが合うのかが分かれます。
使う製品、回数と間隔、内出血が出たときの過ごし方も聞いておきましょう。肌の状態は一人ひとり違うので、実際に診てもらったうえで医師と相談して決めるのが確実です。
- 1Pino A, Torrecilla J, Alonso JM, Tovito L, Pérez R. Clinical and Biometric Assessment of a Hyaluronic Acid-Based Skin Booster for Face, Neck and Décolleté Rejuvenation: A Prospective Study. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.70547
- 2Rho NK, Chang YY, Chao YYY, Furuyama N, Huang PYC, Kerscher M. Consensus Recommendations for Optimal Augmentation of the Asian Face with Hyaluronic Acid and Calcium Hydroxylapatite Fillers. Plastic and Reconstructive Surgery. 2015. doi:10.1097/PRS.0000000000001706
- 3Park JY, Youn C, Lee C, Lee KC, Shin H, Yeom KB. Facial Skin Quality Improvement After Treatment With CPM-HA20G: Clinical Experience in Korea. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.16795
- 4Lee JH, Kim J, Lee YN, Choi S, Lee YI, Suk J. The efficacy of intradermal hyaluronic acid filler as a skin quality booster: A prospective, single-center, single-arm pilot study. Journal of Cosmetic Dermatology. 2024. doi:10.1111/jocd.15944
- 5Ayatollahi A, Firooz A, Samadi A. Evaluation of safety and efficacy of booster injections of hyaluronic acid in improving the facial skin quality. Journal of Cosmetic Dermatology. 2020. doi:10.1111/jocd.13493
- 6El Hawa M, Shahla WA, Fares C, Saade D. Non-Facial Skin Rejuvenation of the Neck, Chest, and Hands. Part One: Using Injections. Journal of Cosmetic Dermatology. 2025. doi:10.1111/jocd.16624
- 7Grabb and Smith's Plastic Surgery. Chapter 47 Dermal and Soft-Tissue Fillers: Principles, Materials, and Techniques.
- 8日本美容外科学会 美容医療診療指針 CQ2-2-1(顔のシワ治療にヒアルロン酸製剤注入は有効だが、血管内への誤注入による皮膚壊死や失明などの重い合併症の報告があるため注意が必要。推奨度2、弱く推奨)