ダーマペン4のような針の治療は、単独でもニキビ跡のへこみがよくなると報告されていますが、どこまでよくなるかは人によって差があります[1]。自分の血液から作るPRPを組み合わせると、単独より改善したという比較がある一方、研究どうしの結果はまだそろっていません[1][2]。選ぶときは、組み合わせの名前より「何を目的に、何回受けるか」をそろえて比べるのが近道です。
ダーマペンだけでも、ニキビ跡は変わる?
変わることが多いです。細い針で肌に小さな穴を開け、肌が治ろうとする力でコラーゲンを増やし、へこんだ傷あとを埋めていく仕組みです[3]。肌の表面を大きく削らずにすむのが特徴です[4]。
ニキビ跡を調べた研究では、どれも見た目の改善が見られました[1]。ただ、よくなる程度は研究ごとにばらつきがあり、「何回で何割よくなる」とは言い切れません[1]。
PRPを組み合わせると、何が違う?
上乗せの効果が期待できますが、確かさはまだ十分ではありません。64人の顔の左右で比べた研究では、4週間おきに3回受けたところ、PRPを足した側のほうがよく改善していました[2]。
ただしこの研究は、どちらの側に何をするかをくじで決めておらず、効果を見た期間も短いものでした[2]。研究のまとめでも、単独とPRP併用を比べた結果はそろっておらず、併用のほうが上だと言い切れる段階ではありません[4][1]。
PRPには、別の注意点もあります。日本美容外科学会の指針では、PRPに成長因子(bFGF)を加えて注射する方法は、しこりや盛り上がりが多く、安易にはすすめられないとしています[5]。何を足すのかは、名前だけでなく中身まで聞いておきましょう。
痛みや赤みは、組み合わせで変わる?
痛み、赤み、腫れは、どの組み合わせでもダーマペンの治療には出ます[6]。研究のまとめでは、PRPを足すと赤みの続く期間が短くなる可能性が示されました[6]。
一方で、痛みはPRPを足しても減らず、PRPを皮膚に注射する方法ではかえって増えることもあるようです[6]。痛みが苦手な人は、麻酔のやり方も含めて相談しておくと安心です。
レーザーと比べると、どちらがよい?
どちらが上かは、研究によって結論が割れています[1]。フラクショナルレーザーのほうが効果が高かったという研究もあれば、同じくらいだったという研究もあります[1]。
副作用は、比べたどの研究でもダーマペンのほうが軽めでした[1]。治療を最後まで続けられた人の割合も、ダーマペンのほうが高いという報告があります[1]。効果の強さを取るか、続けやすさを取るかが、選ぶときの分かれ目になります。
受ける前に、気をつけたいのはどんな人?
肌を傷つけて治す治療全般では、慎重に考えたい条件があります[7]。傷あとが盛り上がりやすい体質の人、酒さや皮膚炎などで肌が荒れている人、最近ほかの深い肌治療を受けた人です[7]。
記事だけでは、自分のニキビ跡にどの組み合わせが合うかは決められません。診察では、ニキビ跡のへこみの形と深さ、今ニキビが出ているか、これまでに受けた肌の治療を伝え、何を組み合わせて何回受けるのか、その理由を確認してください。
- 1Mujahid N, Shareef F, Maymone MBC, Vashi NA. Microneedling as a Treatment for Acne Scarring: A Systematic Review. Dermatologic Surgery. 2020. doi:10.1097/DSS.0000000000002020
- 2Damodaran J, Mohanan S, Mathiyalgen P, Carounanidhy U. A Split Face Study to Compare the Efficacy of Platelet-Rich Plasma Combined with Microneedling Versus Microneedling Alone for Treatment of Acne Scars. Indian Dermatology Online Journal. 2025. doi:10.4103/idoj.idoj_1173_24
- 3Flint PW, et al. Cummings Otolaryngology: Head and Neck Surgery, 7th ed. Chapter 17: Atrophic and Depressed Scar Management(マイクロニードリングは細かい針で小さな穴を開け、コラーゲンの生成をうながしてへこんだ傷あとを埋める).
- 4Hou A, Cohen B, Haimovic A, Elbuluk N. Microneedling: A Comprehensive Review. Dermatologic Surgery. 2017. doi:10.1097/DSS.0000000000000924
- 5日本美容外科学会会報 特別号(第44巻 Supplement). CQ2-5-1/CQ2-5-2 顔面のシワ・タルミに対するPRP療法(PRP単独は推奨度2・弱く推奨。bFGF添加PRPは硬結や膨隆などの合併症が多く、安易には勧められない).
- 6Long T, Gupta A, Ma S, Hsu S. Platelet-rich plasma in noninvasive procedures for atrophic acne scars: A systematic review and meta-analysis. Journal of Cosmetic Dermatology. 2020. doi:10.1111/jocd.13331
- 7Bolognia JL, et al. Dermatology, 5th ed. Chapter 154: Chemical and Mechanical Skin Resurfacing(相対的禁忌:最近の中〜深い深さの施術、傷あとが異常に盛り上がりやすい体質、酒さ・皮膚炎・乾癬など).